1月20日、サッカーJFL・鈴鹿アンリミテッドFCが発表した衝撃的な「新チーム名」が波紋を広げている。この日同クラブが公式サイトで「2020年シーズンより使用する新チーム名が決定いたしましたのでお知らせいたします」として発表した今シーズンのチーム名は「鈴鹿ポイントゲッターズ」。
「日本のスポーツクラブ経営をまったく新しい方法で塗り替えていく」
2月1日から公式に使用されるという「鈴鹿ポイントゲッターズ」の名称。同クラブのサイトでは「選手やチームが勝ち点を奪いに行くという意志はもちろん、ファン・サポーターのみなさんと一緒になってクラブ運営費を稼いでいく全く新しい仕組み」だとして「新しい名称の元、日本のスポーツクラブ経営をまったく新しい方法で塗り替えていきます」と意気込みを語っているのだが――
「『ダサすぎる』『思いつきで名前をつけるな』といった批判の声」
「『鈴鹿アンリミテッド』から『鈴鹿ポイントゲッターズ』への改名に際し、鈴鹿サポーターをはじめサッカーファンから『ダサすぎる』『思いつきで名前をつけるな』といった批判の声が噴出しているんですよ」と語るのはスポーツ誌記者だ。
「元々、同クラブは『三重FCランポーレ』と『鈴鹿クラブ』が合併して2009年シーズンに始動した『FC鈴鹿ランポーレ』として知られていました。その後、運営体制が変わったことから2016年に『鈴鹿アンリミテッドFC』へと変更。2019年シーズンからはJFLに昇格し今後のさらなる飛躍に期待が寄せられていました」
「株式会社エムフロとのネーミングスポンサー契約」
そんな同クラブが、なぜ「鈴鹿ポイントゲッターズ」に改名されたのか。
同記者が「今回の改名は『i2i Point(アイツーアイ ポイント)』というポイントサイトを定期する株式会社エムフロとの『ネーミングスポンサー契約』によるものなんです。自社サービスのPR効果を追求したいエムフロ側の意向に加え、同クラブ運営が以前から『悪名は無名に勝る』をスローガンにしていたことも相まって、まさしく“そのまんま”のチーム名となった。ただこの新チーム名を巡り、選手やメディア、協会の人間など関係者の間で『ネーミングのダサさ』以上に『さすがに酷すぎる』『クラブにとってマイナスないのでは』と問題視されている点があるんですよ」と解説する。
「『クラブの核となる人たち』のモヤモヤは残り続ける」
果たして「ネーミングのダサさ」よりも問題視されている点とは。
「一応のところエクスキューズ程度に全クラブ共通のミッションである『勝ち点を得る』と掛けてはいるものの、明らかに『ポイントサイトの活用を促す』という『スポンサーの事業目的』が上回っているんです。単に名前がダサすぎるだけでなく『選手とサポーターを二の次にしている』という根本的な問題があるため、このチーム名で今シーズンに挑むとしたら『クラブの核となる人たち』のモヤモヤは残り続ける。もっと言えば、そもそもネーミングライツを購入しただけの企業がそこまでチームに介入するのは分不相応なんです。あらゆる観点から『鈴鹿ポイントゲッターズ』のネーミングはナシだと思いますね」(同記者)
果たして、鈴鹿の選手とサポーターの心中は。
(糀谷洋平)