
TBS時代に「上司にコーヒーをぶち撒けた」という伝説を持ち、フリー転身後も媚びない姿勢で我が道を突き進む宇垣美里。
その「組織に喧嘩を売る度胸」はどこから来るのか。
単なる気の強さではない。彼女の血管に流れているのは、日本近代史を動かした“二人の怪物”のDNAだった。
「幻の宰相」宇垣一成との関係
芸能関係者が語る。
「彼女が、かつて陸軍大将や外相を歴任した宇垣一成の縁戚(大叔父の孫)にあたることは有名です。一成といえば、軍部大臣現役武官制を逆手に取った陸軍の反発で組閣を阻止された『幻の宰相』。権力の中枢にいながら、組織の論理に抗い続けた一成の反骨心は、間違いなく彼女に隔世遺伝している。TBSという巨大組織を敵に回して退社した生き様は、まさに『令和の宇垣一成』ですよ」
だが、彼女の血脈に秘められた「業」はそれだけではない。
実は、もう一つの「首相の血」が入っているという衝撃的な事実が存在する。
祖母は「犬養毅」の家系
同関係者が続ける。
「実は、宇垣の祖母も、五・一五事件で暗殺された犬養毅元首相の家系にあたるつまり彼女は、陸軍の『武断派』トップクラスの血と、憲政の神様と呼ばれた『言論派』トップの血、その両方を引くハイブリッドということになる。犬養といえば『話せばわかる』の言葉で知られますが、宇垣美里の武器もまた、アナウンサーとしての『言葉』と、エッセイなどで見せる鋭い『知性』。彼女が時折見せる、相手を論破せずにはいられない攻撃性は、犬養の弁舌の才が形を変えて現れたものでしょう」
陸軍大将の「胆力」と、憲政の神様の「弁舌」。
この二つを併せ持った彼女を、一介のテレビ局員がコントロールできるはずもなかった。
「彼女の気の強さは、単なるワガママではなく『高貴な野心』。並の男が彼女を口説こうとしても、そのバックにいる“昭和の巨人たち”に睨まれて萎縮するのがオチですよ」(前出・関係者)
令和の芸能界を闊歩する宇垣美里。
その背中には、あまりに重すぎる日本の歴史が刻まれていたのであった。
(松尾晶)