松本人志「太田光に“土下座強要”」の「知られざる裏事情」

 2020年代のいま、お笑い業界で圧倒的な存在感を発揮しているダウンタウンと爆笑問題。ダウンタウンの松本人志と浜田雅功は1963年生まれ、爆笑問題の太田光と田中裕二は1965年生まれでほぼ同世代の彼らだが、過去には芸能史に残る大バトルがあった。

松本人志「太田光に“土下座強要”事件」の凄まじい衝撃

「現在では覚えている人も減りましたが、1994年に松本が太田を土下座させた『“土下座強要”事件』の衝撃は凄まじいものでしたね」と振り返るのはベテラン芸能記者だ。

 発端となったのは爆笑問題が対談を連載していた「ホットドッグ・プレス」(講談社)1994年7月25日号の記事。「『爆笑問題』の良識破壊宣言!?」という連載の第6回での発言だった。

 この回のテーマは「ファッション」。毒舌がウリの爆笑問題らしく、冒頭から太田が「たけしサンがカンサイ着て出てきて以来、未だに『お笑いは流行の最先端』ってイメージがあるけど。どーなんだろな」と大先輩のビートたけしを槍玉に。

「松本人志を『アディダスの広告塔』呼ばわり」

 さらに太田は「この間もダウンタウンの松本が全身アディダスで固めて雑誌に出てた。アディダスの広告塔みたいなの。あの無神経さは信じられない!」と松本を呼び捨てにして「無神経」と切り捨てたのだが――

「この発言に激昂した松本が『すぐに爆笑問題のふたりを呼べ』とスタッフに命令し、駆けつけた太田と田中に『オレのことには触れんときいな』と怒鳴りつけたと当時報じられ、大きな騒動となりました」
と同記者。

「女性セブン」(小学館)1995年2月2日号では「天才 松本人志『土下座せい!』事件に文句続出」と題してこの事件を報じている。

「爆笑問題に『引退』『パイプイスで殴打』『土下座』から選ばせた松本」

 同記者は「この際、松本が爆笑問題に対し『お前らに問題を出すからいますぐ答えてみい。イチ、いますぐ芸能界から去る。ニ、ここにあるパイプイスでどつかれる。サン、この場で土下座する』と“3択クイズ”を出したことが各誌で報じられました。人気絶頂の松本がここまでキレたことは芸能界全体に衝撃を与えましたね。いまならパワハラでさらなる大問題に発展しますよ」と語る。

 結果、土下座で事なきを得たという爆笑問題。騒動から25年を経た2019年8月7日放送の「太田松之丞」(テレビ朝日系「お願い!ランキング」内)で太田は、神田松之丞から「土下座なんて、太田さんもいろいろしてきたでしょうけど」と松本からの「土下座強要」を蒸し返されていた。

「ダウンタウン一派」の芸人たちが「太田をシバく」と激怒

「この大事件からしばらく経った頃から『松本による爆笑問題への「土下座強要」のウラには「知られざる事情」があったと言われているんですよ』」と同記者は明かす。

「実は松本自身よりもブチギレていたのが、松本の周囲にいた木村祐一ら『ダウンタウン一派』の芸人たち。彼らが『太田をシバく』と激怒している様子を見た松本が『形式的に爆笑問題にクレームを入れた』という話なんです。それにしても『パイプイスで殴る』は無茶苦茶ですが……」

 その後、2014年3月31日放送の「笑っていいとも! グランドフィナーレ 感謝の超特大号」で共演を果たし、同番組のCM中、太田に「ありがとな」と囁いたという松本。ままでは既に両者は和解している。

レジェンドたちの血気盛んな時代の逸話であった。

(吉田優作)

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