
11月22日に発表された嵐のラストツアー「ARASHI LIVE TOUR 2026 We are ARASHI」。活動休止から5年ぶりとなる5人の復活に列島が沸く一方、水面下では人生を懸けた戦いに挑む若者たちから、悲痛な叫びが上がっている。
あろうことか、ツアー初日となる札幌ドーム公演の日程が、国公立大学入試の「後期日程」と完全にバッティングしてしまったのだ。
ネット上の宿泊予約サイトでは、会場周辺はおろか札幌市内のホテルが瞬殺で埋まり、「宿がなくて受験できない」という異常事態が発生している。
北海道大学の受験生を直撃した「3・13」の悪夢
夕刊紙記者が解説する。
「問題となっているのは、ツアー初日の3月13日です。国公立大学の後期試験は例年3月12日に行われますが、北海道大学など一部の学部では翌13日にも面接や試験が行われます。つまり、12日の夜から13日にかけては、まさに受験生が現地に滞在しなければならない日なのです。
そこに数万人規模の嵐ファンが『前乗り』で押し寄せる形となった。嵐の動員力は桁外れで、発表直後から札幌市内のビジネスホテルは軒並み満室。空いていたとしても、ダイナミックプライシング(変動料金制)により、通常5000円程度の部屋が5万円〜10万円に跳ね上がるというインフレ状態になっています。これでは、予算の限られた地方の受験生は太刀打ちできません」
さらに事態を悪化させているのが、ファン心理による「とりあえず予約」だ。チケットの当落発表前であるにもかかわらず、多くのファンが「当たったときのため」に宿を押さえてしまっている。
「キャンセル待ち」すらできない心理戦
前出の記者が続ける。
「受験生にとって後期試験は『最後の砦』。前期で落ちたショックを引きずりながら、背水の陣で挑む試験です。そんな精神状態で『宿が取れない』というプレッシャーは計り知れません。ファンの多くはチケットが外れればキャンセルするため、直前になれば空室は出るでしょう。しかし、受験生は『直前まで宿が確定しない』というリスクを負うことはできない。結果、親が泣く泣く数十万円の高級ホテルを取るか、遠く離れた小樽や千歳から通うことを余儀なくされています。経済格差が受験の機会格差に直結する、あまりに残酷な状況です」
誰を責めることもできない「ホテル予約問題」であった。