村上宗隆はメジャー1年目でホームラン王になるのか ホワイトソックス移籍後の爆発で期待が高まる理由
村上宗隆 公式インスタグラム

 村上宗隆のメジャー1年目が、早くも「適応できるか」という段階を通り越し、「本塁打王を狙えるのか」という話題に変わり始めている。

 東京ヤクルトスワローズからポスティングシステムを通じて海を渡った村上は、ホワイトソックスと2年総額3400万ドル規模の契約を結んだ。大型契約ではあるが、市場の予想から見れば短期で、本人にとってはメジャーで価値を証明するための勝負契約でもある。再建中のチームにとっても、左打ちの長距離砲を中心に据える意味は大きかった。

 その期待は、開幕からいきなり現実味を帯びた。デビュー直後から本塁打を量産し、5月上旬にはアーロン・ジャッジと本塁打数で並ぶ場面まで生まれた。同9日には15号を放ち、少なくともこの時点でメジャー全体の本塁打王争いの中心にいることは間違いない。

 特に印象的だったのは、5月4日(日本時間5日)のエンゼルス戦だ。村上は防御率リーグ上位のホセ・ソリアーノから14号2ランを放ち、しかもそれが98マイル超の速球だった。移籍前から指摘されていた「メジャーの球速に対応できるのか」という疑問に対し、もっとも分かりやすい形で答えを出した一打だった。

ホームラン王への期待が高まる理由

 本塁打王を語るうえで、村上の強みは明快だ。打率で相手を押し切るタイプではなく、四球、本塁打、三振が目立つ、いわゆるスリー・トゥルー・アウトカム型の打者である。これは粗さでもあるが、長いシーズンで本塁打数を積み上げるという一点では、むしろ分かりやすい武器になる。

 ホワイトソックス打線の中で警戒度が上がっていることも、逆説的に評価の高さを示している。同10日のマリナーズ戦では、終盤の好機で申告敬遠を受けた。相手バッテリーが「勝負しない」という選択を取る選手になったことは、メジャー1年目の打者としては異例のスピード感だ。

スポーツジャーナリストはどう見るか

 「村上の本塁打王争いは、数字以上に相手の攻め方との勝負になるでしょう」と語るのはスポーツジャーナリスト。

 「開幕直後の爆発で各球団の分析は一気に進み、今後は内角高め、外角の速球、落ちる球の見極めなど、より細かい弱点探しが始まる。ここで三振が増えすぎればペースは落ちますが、四球を選びながら甘い球を一発で仕留める形を維持できれば、トップ争いから簡単には脱落しないはずです」

 もうひとつの焦点は、チーム状況だ。ホワイトソックスが想定以上に粘り強く戦えば、村上の打席内容も変わる。勝負どころで敬遠が増える一方、走者を置いた場面で相手が逃げ切れないケースも出てくる。チームの上昇と村上の本塁打ペースは、意外なほど連動している。

本塁打王は現実的なのか

 ただ、現時点で「本命」と言い切るには早いようだ。

 「ジャッジをはじめ、メジャーには年間を通してペースを落とさない怪物がいる。村上には初対戦の利点もあり、今後は研究される側に回るのは間違いない。三振率の高さも、長期戦ではリスクとして残ります」(同ジャーナリスト)

 それでも、期待が高まるだけの材料はそろっている。速球への対応で見せ場を作り、警戒されながらも長打を出し、メジャー1年目からタイトル争いに名前を残している。日本で56本塁打を放った打者が、メジャーでも本塁打王争いの景色を変えるのか。5月半ばの段階で、村上宗隆はすでに「予測したくなる存在」になっている。

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