「適当」な性格が生んだ、唯一続けた仕事。それが女優業だ。小学5年生で原宿を歩いていた少女が、今や日本映画界を代表する存在にまで成長した。清純派のイメージを打ち破り、不良少女から苦悩する大人まで、幅広い役柄をこなす演技力の秘密は、彼女自身の「飽きっぽさ」にあるのかもしれない。『天然コケッコー』で一躍注目を浴び、『海街diary』で国際的な評価を得た夏帆。しかし、その裏には「何かに追われているような感覚」に苛まれた日々があった。

基本プロフィール

フリガナ かほ
生年月日 1991年6月30日
出身地 東京都
身長 164cm
血液型 O型
所属事務所 スターダストプロモーション
ジャンル 女優、モデル

生い立ち・デビューまでの経緯

原宿の雑踏で、小学5年生の少女はスカウトの声に振り返った。その一瞬が、すべての始まりだった。2003年、ツーカーホン関西のCMでデビューを果たした夏帆は、瞬く間にティーンのアイコンとなる。『ピチレモン』のモデルとして、そして「三井のリハウス」の11代目リハウスガールとして、彼女の顔は街中に溢れた。しかし、単なる“かわいい顔”で終わる気はなかった。13歳で初主演を務めた『ケータイ刑事 銭形零』は、その覚悟を示す第一歩に過ぎない。やがて『天然コケッコー』という運命の作品が彼女を待ち受け、女優・夏帆の真骨頂が解き放たれることになる。

ブレイクのきっかけ・代表作

原宿でスカウトされた小学5年生が、今や日本映画界を代表する女優の一人となった。夏帆のブレイクの決定的な瞬間は、13歳での連続ドラマ初主演『ケータイ刑事 銭形零』よりも、むしろその数年後に訪れる。島根県浜田市で撮影された映画『天然コケッコー』での主演が、彼女のキャリアを一変させたのだ。原作者の大ファンだった母親の影響でオーディションに臨んだというエピソードが示すように、この作品は彼女にとって特別なものだった。そのひたむきでどこか飄々とした演技が評価され、日本アカデミー賞をはじめとする数々の新人賞を受賞。一気に実力派女優の仲間入りを果たしたのである。

その後も彼女の選択は型破りだ。清純なイメージが定着しつつあった頃に、テレビドラマ『みんな!エスパーだよ!』で不良少女役に挑戦。役作りのために髪を切り、イメージを大きく変えてみせた。そして是枝裕和監督の『海街diary』では、四姉妹の三女・千佳役を演じ、カンヌ国際映画祭に出品される作品の一員となった。この作品での演技が高く評価され、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。彼女の役者としての幅の広さを世に知らしめる結果となった。

近年では、2022年の大ヒットドラマ『silent』での演技がギャラクシー賞月間賞を受賞するなど、その評価はますます高まっている。共演者からは「男っぽい」「竹を割ったような」と評されるその等身大のキャラクターが、どんな役柄にも深みとリアリティを与えている。読書と映画鑑賞をこよなく愛する、内省的な一面も持ち合わせた彼女の魅力は、作品を通してこれからも観客を惹きつけてやまないだろう。

出演作品

公開・放送開始年 作品名
2026 ある小説家の日記
2025 じゃあ、あんたが作ってみろよ
2025 塀の中の美容室
2025 地球鉄道
2025 BAUS 映画から船出した映画館
2025 ホットスポット
2024 マニアさんと歩く関西
2024 Shrink―精神科医ヨワイ―
2024 違国日記
2024 ブルーモーメント
2024 ユーミンストーリーズ
2023 ノンレムの窓 2023・夏
2023 ノンレムの窓 2023 夏
2023 ブラッシュアップライフ
2022 First Love 初恋
2022 モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~
2022 silent
2022 大川と小川の時短捜査
2022 さかなのこ
2022 拾われた男
2022 それわす おしゃべり会‎
2022 ノンレムの窓
2022 星新一の不思議な不思議な短編ドラマ
2022 ムチャブリ! わたしが社長になるなんて
2021 息をひそめて
2021 珈琲いかがでしょう
2021 星とレモンの部屋
2020 緊急事態宣言
2020 MOTHER マザー
2020 架空OL日記

人物エピソード・逸話

あの清純な笑顔の裏に、竹を割ったような男気が潜んでいる。女優・夏帆の意外な素顔だ。

小学5年生で原宿でスカウトされ、芸能界入り。13歳で『ケータイ刑事 銭形零』に初主演し、早熟の才能を見せつけた。しかし、彼女の名を一躍知らしめたのは、2007年の映画『天然コケッコー』での主演だろう。島根県浜田市での撮影は、彼女にとって「第二のふるさと」と呼ぶほど濃密な経験となった。この作品で日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、数々の新人賞を総なめにし、新世代のホープとしての地位を確立するのである。

清純派のイメージが強いが、その実像は共演者たちの証言が物語る。平山秀幸監督は「年相応のキャピキャピした方だと思っていたが、非常に男っぽいというか竹を割ったような方だった」と驚きを隠さない。初共演した星野源も「とても男らしい人だなと思った。男気があって、こびない」と評した。本人も「ウッス!」と男らしく応えるなど、その裏腹な魅力が業界関係者を惹きつけてやまない。

そんな彼女の演技の幅は年々広がりを見せている。是枝裕和監督の『海街diary』では日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門への出品という栄誉にも浴した。2022年のドラマ『silent』では、ギャラクシー賞月間賞を受賞し、選定理由に「特に夏帆の演技には何度も感心させられた」と記されるほど、その深みのある演技が高く評価されたのだ。

私生活では「結構飽きっぽい性格」と自称するが、唯一続いているのが役者業だという。料理の分量は「適当」とおおらかな一面を持ちながら、役作りには徹底して没頭する。不良少女役を演じた『みんな!エスパーだよ!』では、イメージを大きく変える演技を見せつけた。読書と映画鑑賞が趣味で、特に映画は公開中の作品をほぼ全て観るほどのマニアぶり。その貪欲なまでの作品への向き合い方が、彼女の演技の源泉になっているに違いない。

子役時代から約20年。夏帆は「かわいい」だけでは括れない、芯の強さと幅広い演技力で、確実に日本を代表する女優へと成長を続けている。

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