リズムネタの「ラッスンゴレライ」で2014年から2015年にかけて大ブレイクを果たした8.6秒バズーカー。大阪NSCの36期生だったタナカシングル(旧・田中シングル)とはまやねんが同校卒業直後の2014年4月1日にコンビを結成し、またたく間にスターダムを駆け上がった。
2015年の「ぐるナイおもしろ荘」で大ウケ
彼らが世に知られる最大のきっかけとなったのが2015年1月1日午前0時30分からの「ぐるナイおもしろ荘 若手にチャンスと愛を・・・誰か売れて頂戴SP」(日本テレビ系)。出川哲朗を爆笑させ、ゲストの能年玲奈(現・のん)も困惑しながらウケている様子が年明けから間もないタイミングで放送されたのだ。
「ラッスンゴレライは原爆投下を揶揄している」と大炎上
その後、破竹の快進撃を続けていた8.6秒バズーカーだが、まさかの落とし穴が待っていた。「ラッスンゴレライ」のネタに「第二次大戦中の原爆投下を揶揄する意味が込められている」「8.6秒バズーカーは『反日芸人』だ」といったコメントがネット上で相次いだのである。
当時、8.6秒バズーカーを取材していた芸能記者が証言する。
「2015年3月の前半に『原爆投下揶揄説』が急浮上」
「『ラッスンゴレライ』についてネット上で『原爆投下揶揄説』が囁かれだしたのは、2015年3月の前半。彼ら二人もすぐに『なんか炎上している』と気づいていて、周囲の芸人たちも『急にオモロイことになっているな』と興味を持っていた。それからまもなく面白がってはいられないレベルにまで大炎上するんです」
当時、ネットで指摘されていた8.6秒バズーカーと「ラッスンゴレライ」に関する「原爆投下揶揄説」を振り返ろう。
コンビ名である「8.6」は「広島に原爆が投下された8月6日」であり「バズーカ」は「原爆」を意味。赤いシャツに黒のネクタイという衣装は「放射能」の楽曲で知られるクラフトワークを意識している。「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん」は米軍の軍用機「chotto matte」から。ネタ中の決めポーズが広島の「原爆の子の像」に似ている。サングラスはダグラス・マッカーサーを意識してのもの。吉本興業のサイトで「国外・その他出身」にカテゴリされており彼らは外国人ではないのか。等々である。
『8.6秒バズーカーが反日なのは間違いない』と断言する芸人も
これらの「疑惑」について同記者は「一個一個はバカバカしいものでも、疑惑の数が膨大な量となって『さすがにこんな偶然はあり得ない』と信じてしまう人が急増した」と語る。
「70年代から90年代にかけて広島カープで活躍した北別府学氏も『悲しくてたまらんですわ!』とブログで『ラッスンゴレライ』に触れ、後に削除しているほど。実は当時『8.6秒バズーカーが反日なのは間違いない』と断言する芸人もいたぐらいなんです」
その後、8.6秒バズーカーは度々「反日疑惑」を否定。2018年1月19日にアップした公式YouTubeチャンネルでは「僕らは見ての通りのアホ」と『原爆投下を揶揄する能力自体がない』と力説したのだが――
「はまやねんの書き込みは『致命的失態』」
「『松本人志ロシアのスパイ説』として『ラッスンゴレライ』の炎上騒動をギャグにした『水曜日のダウンタウン』(TBS系)のおかげもあり、さすがにお笑い界では8.6秒バズーカーが原爆投下を揶揄していたと思っている関係者は見なくなりましたが、ネット上ではいまだに彼らを『クロ』だと思っている人が相当数いる。その背景にあるのがはまやねんが過去にツイッターやブログに記した『反日発言』。『もう日本オワタ。中国と韓国とロシアに一気に攻め込まれる(笑)植民地ぷぎゃあ』など自嘲的で日本を軽んじる言葉を度々綴っている。この点は明らかに彼の致命的な失態で、本人の責任である部分も否定できないんです」(同記者)
デビューから間もなく頂点とどん底を味わった8.6秒バズーカー。再ブレイクの日は来るだろうか。
(吉田優作)