「極めて近い将来、引退します」。この衝撃的な宣言を、有田哲平は2022年、かつてのプロレスラー髙田延彦と全く同じ言葉で放った。その真意はいまだに謎に包まれているが、一つだけ確かなことがある。それは、相方・上田晋也にタックルをかました高校時代から、バラエティ界を席巻する「テキトー」なキャラクターに至るまで、彼の歩みは常に予測不能だったということだ。
基本プロフィール
| 出身地 | 熊本県 熊本市東区 |
|---|---|
| 身長 | 173cm |
| 血液型 | O型 |
| 所属事務所 | プライム→ナチュラルエイト→チャッターボックス |
ラグビーで相方にタックルした破天荒高校生
ラグビーの試合で、なぜか味方の上田晋也にタックルを仕掛けた男がいた。それが、後のくりぃむしちゅー・有田哲平のデビュー前夜である。
熊本の名門・済々黌高校のラグビー部で出会った二人は、プロレスと『お笑いスター誕生!!』という共通の趣味で意気投合する。しかし、有田のラグビーセンスは壊滅的だった。試合ではベンチ要員、挙句の果てにはトライを狙って走る相方に体当たりする始末。それでも、将来の夢を聞かれて「俺は光GENJIに入る!」と真顔で宣言するその破天荒さは、既に芸人としての原石を光らせていた。
高校卒業後、上田の誘いでコンビ「海砂利水魚」を結成。付き人生活を経て、尖った芸風で下積みを重ねるが、大きな転機は意外な人物からもたらされた。萩本欽一に「テキトー」な態度を認められたことで、彼は天与の「適当キャラ」を開花させる。それは、相方・上田の博学キャラを引き立てる絶妙のツッコミへと進化し、やがてバラエティ界に彗星のごとく登場するくりぃむしちゅーへとつながっていくのである。
萩本欽一に認められた「テキトー」の才能
「光GENJIに入る!」。高校のラグビー部で将来の夢を語る場で、有田哲平は周囲の真面目な答えをよそに、そう宣言した。このエピソードは、彼のキャリアを貫く「ぶっ飛び」の感性を象徴している。
ブレイクのきっかけは、意外にも「不真面目さ」の肯定だった。尖った芸風で鳴らした「海砂利水魚」時代、萩本欽一にそのテキトーな態度を「それでいい」と認められたことが転機となる。彼の天然でズレたキャラクターは、ここで初めて“武器”として開花したのだ。その後、コンビ名を「くりぃむしちゅー」に改名。直接のブレイクには結びつかなかったものの、相方・上田晋也の博学キャラに乗っかる「受け身のボケ」というスタイルを確立していく。
彼の代表作は、何と言っても『しゃべくり007』での存在感だろう。上田の鋭いツッコミを受け流し、時に予測不能なボケで空気を一変させる芸風は、番組の名物となった。あの独特の「間」と抜けた表情は、誰にも真似できない有田哲平ならではのものだ。また、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』への出演は、その芸風がバラエティの枠を超えて評価された証左と言える。
ラグビーで相方にタックルし、大学進学でも翻弄され続けた男。その人生の“ズレ”こそが、日本のお笑いシーンに唯一無二の緩急をもたらしたのである。
出演作品
| 公開・放送開始年 | 作品名 |
|---|---|
| 2026 | ナゾトレMAXXX |
| 2026 | シチュエーションコメディ「アリフォルニア」 |
| 2025 | 『なつ&さおりー 来たよ。来たね。10周年。〜うちらの足跡〜』 |
| 2025 | かくかくしかじか |
| 2024 | 家出レスラー |
| 2023 | アントニオ猪木をさがして |
| 2023 | THE SECOND~漫才トーナメント~ |
| 2022 | 世にも奇妙な物語 ’22夏の特別編 |
| 2022 | 有田哲平の全部見せます! |
| 2021 | くりぃむナンタラ |
| 2021 | 賞金奪い合いネタバトル ソウドリ~SOUDORI~ |
| 2021 | ウチの娘は、彼氏が出来ない!! |
| 2020 | 有田プレビュールーム |
| 2017 | 全力!脱力タイムズ |
| 2017 | わにとかげぎす |
| 2017 | 放送禁止7 ワケあり人情食堂 |
| 2016 | 今夜はナゾトレ |
| 2015 | 日本人の3割しか知らないこと |
| 2012 | TSY タイム スリップ ヤンキー |
| 2010 | 宇宙で1番ワガママな星 |
| 2008 | しゃべくり007 |
| 2007 | 和田アキ子殺人事件 |
| 2006 | ピーナッツ |
| 2005 | 零のかなたへ |
| 2005 | 日本のこわい夜 特別篇 本当にあった史上最恐ベスト10 |
| 2004 | 世界一受けたい授業 |
| 2004 | パローレ |
天然タックルから『しゃべくり007』の名物キャラへ
あの「テキトー」なキャラは、実はラグビー部で相方にタックルを仕掛けるほどの天然だった。
くりぃむしちゅーの有田哲平といえば、上田晋也の博識ぶりに乗っかる「テキトー」なボケ役としてお茶の間を沸かせてきた。しかし、その原点は高校ラグビー部にあった。相方・上田と出会った熊本県立済々黌高校のラグビー部では、上田がレギュラーだったのに対し、有田はベンチ要員。しかもルールをよく理解しておらず、ある試合ではボールを持ってトライに向かって走る上田に、何を思ったかチームメイトであるにもかかわらずタックルを仕掛けたという伝説的エピソードを持つ。この天然ぶりは、後の「テキトー」キャラの萌芽だったのかもしれない。
その芸風が確立したのは、2000年の東八郎追悼公演でのことだ。演出を担当した萩本欽一に、不真面目とも取られる自身の態度を逆に評価されたことがきっかけだった。それ以降、尖った芸風から一転した「テキトー」路線がバラエティ番組で受け入れられ、コンビとしての地位を確固たるものにしていく。2016年には『しゃべくり007』で一般女性との入籍を発表し、家族を築いた。
意外なのは、その芸能活動の一方で、映画や音楽に対する深い造詣を持っている点だ。特に洋楽への愛は強く、自ら「アリデミー賞」と名付けて年間のベスト楽曲を選出するほど。2021年からはBS朝日『ベストヒットUSA』にゲスト出演し、その独断と偏見に満ちた音楽批評を披露している。また、映画好きが高じて短編映画を監督する企画番組も持つなど、芸人としての枠に収まらない一面を見せる。
母はオリンピック代表候補にもなった元水泳選手で、2008年のマスターズ世界選手権で6位に入賞するほどの実力者。そんなスポーツ一家に生まれながら、自身は「光GENJIに入る」と公言するお茶目な少年だった。2022年末に「極めて近い将来の引退」を宣言したが、その直後にはポッドキャスト番組『有田脳』を開始するなど、まだまだその活動は尽きそうにない。