「芸能界への憧れなんて、まったくなかった」――高梨臨はそう語る。原宿の竹下通りでスカウトされた、その偶然がすべての始まりだった。女優として、モデルとして、そして今やサッカー界のスター選手・槙野智章の妻として、彼女の歩みは常に予想を裏切ってきた。カンヌ国際映画祭に出品された映画から連続テレビ小説、果ては大河ドラマまで、そのキャリアは実に多彩だ。しかし、華やかな経歴の裏側には、一貫した「等身大」の姿勢があった。

基本プロフィール

フリガナ たかなし りん
生年月日 1988年12月17日
出身地 千葉県船橋市
身長 166cm
血液型 A型
所属事務所 スターダストプロモーション
ジャンル 女優、ファッションモデル

生い立ち・デビューまでの経緯

原宿の竹下通りで、姉とサーカスを観た帰り道。15歳の少女は、芸能界への憧れすら持っていなかった。それが、すべての始まりだった。スカウトという偶然が、高梨臨の人生を一変させる。

「アイドル道」のオーディションでグランプリを獲得し、アイドルグループの一員としてCDデビュー。しかし、彼女の真骨頂はそこではなかった。JTBエンタテインメントの契約タレント第1号として旅行冊子の表紙を飾り、モデルとしての存在感を磨いていく。その清楚で知的な佇まいは、やがて大きな転機を呼び込む。

2008年、映画『GOTH』でヒロインに抜擢される。暗く重厚な世界観の中、彼女が演じた森野夜は、一気にその演技の幅を見せつけた。そして特撮ドラマ『侍戦隊シンケンジャー』では、ヒロイン・シンケンピンクとして多くの子供たちの憧れとなる。アイドルでもモデルでもない、女優としての道筋が、ここにはっきりと刻まれたのだ。

ブレイクのきっかけ・代表作

原宿でスカウトされた少女が、世界の名匠に見出され、カンヌの舞台に立つまで。高梨臨のキャリアは、偶然の出会いと自らの才覚が織りなす異色の軌跡だ。

彼女の転機は、2012年の映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』への主演にあった。イランを代表する巨匠、アッバス・キアロスタミ監督が日本で撮影したこの作品で、高梨は言葉少なな役柄に内面の機微を込めて見せ、高崎映画祭最優秀新人女優賞を獲得する。作品はカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、一気にその存在を世界に知らしめたのだ。

その後も、NHK連続テレビ小説『花子とアン』での健気な友人役や、2017年の『恋がヘタでも生きてます』での連ドラ初主演など、着実に演技の幅を広げていく。清楚な美貌の裏に潜む芯の強さと、どこか飄々とした独特の空気感が、彼女を型にはまらない女優へと昇華させた。

モデルとしての顔も忘れてはならない。書道五段、将棋初段という意外な特技を持ち、ランニングでフルマラソンを完走する行動力も兼ね備える。多彩な才能が、彼女の魅力に深みを加えていることは間違いない。

出演作品

公開・放送開始年 作品名
2025 ムサシノ輪舞曲
2024 アリバイ崩し承りますスペシャル
2024 はれのひ シンデレラ ウェディングドレスを日本へ!ある女性の挑戦
2024 コットンテール
2023 単身花日
2023 MALICE
2023 VIVANT
2023 ラストマン ー全盲の捜査官ー
2023 バツイチがモテるなんて聞いてません
2023 夫を社会的に抹殺する5つの方法
2022 PICU 小児集中治療室
2022 5つの歌詩
2022 DCU
2021 アンラッキーガール!
2021 サレタガワのブルー
2021 夏への扉 ―キミのいる未来へ―
2020 セイレーンの懺悔
2020 ディア・ペイシェント
2018 犬神家の一族
2018 結婚相手は抽選で
2018 西郷どん
2017 あいの結婚相談所
2017 恋がヘタでも生きてます
2016 代償
2016 種まく旅人 〜夢のつぎ木〜
2016 不機嫌な果実
2016 ヒガンバナ~警視庁捜査七課~
2015 5→9~私に恋したお坊さん~
2015 毛骨悚然撞鬼经 2015夏季特别篇
2015 Bad Girls of Japan

人物エピソード・逸話

原宿でスカウトされた時、彼女に芸能界への憧れはなかった。姉とサーカスを見た帰り道、何気ない一日が運命を変えることになるとは、高梨臨自身も予想していなかったに違いない。

「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンピンク役で広く名前を知られるようになったが、彼女の真骨頂はむしろ地味で複雑な役柄を光らせる演技力にある。2012年、イラン巨匠アッバス・キアロスタミ監督が日本で撮影した『ライク・サムワン・イン・ラブ』への主演は、その証明となった。カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたこの作品で、彼女は第27回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞する。世界的な名匠の眼鏡に適う表現力は、アイドル的なイメージを大きく飛び越えていた。

意外なのは、彼女の「趣味」の領域の深さだ。書道五段、将棋初段という資格を持ち、フルマラソンも完走する。特に将棋への造詣は深く、羽生善治名人の就位式で花束贈呈役を務めるなど、芸能界きっての“棋士女優”としても知られる。攻め方は矢倉の棒銀が好きだというから、ただの趣味ではなく戦略を楽しむタイプなのだろう。

プライベートでは、ぬいぐるみ、特にクマのコレクションに情熱を注ぎ、洋服を買って着せ替えるほどの愛情を示す。一方で、かつては漫画家を夢見て道具を揃えたこともあるという、クリエイター魂の片鱗も覗かせる。

華やかなイメージとは裏腹に、極めて私的で没頭できる世界を複数持つ女優。それが高梨臨の知られざる素顔なのである。

おすすめの記事