「モデルオーディションに応募したのは、たった一度の『勢い』だった」――今や俳優として不動の地位を築く坂口健太郎の原点は、19歳の時にふと手に取った雑誌の募集記事にあった。その一歩が、後の「国宝級イケメン」と呼ばれるまでの道程を切り拓いたのだ。
基本プロフィール
| フリガナ | さかぐち けんたろう |
|---|---|
| 生年月日 | 1991年7月11日 |
| 出身地 | 東京都府中市 |
| 身長 | 183cm |
| 血液型 | O型 |
| 所属事務所 | トライストーン・エンタテイメント |
| ジャンル | 俳優、モデル |
生い立ち・デビューまでの経緯
彼は、バレーボールに打ち込むごく普通の高校生だった。しかし、その長身と端正なルックスは、時に本人の意志を超えて注目を集める。19歳の時、ふと手に取ったファッション誌『MEN'S NON-NO』のモデルオーディションに応募したことが、すべての始まりである。自ら扉を叩いたその一歩が、坂口健太郎という男の運命を変えた。
オーディション合格は、彼を一気にファッション界の寵児へと押し上げる。2014年、同誌では20年ぶりとなる単独表紙を飾り、その存在感を確かなものにする。しかし、坂口の目はすでに次のステージに向いていた。モデルとしての地位を確立するその年、彼は映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』で俳優デビューを果たす。カメラの前で服を着こなすだけではない、新たな表現への渇望がそこにあった。
モデルと俳優、二つの顔を併せ持ちながら、彼の地盤は急速に固まっていく。2015年、『コウノドリ』での連続ドラマレギュラー出演は、多くの視聴者にその演技力を印象づけた。そして2016年、朝ドラ『とと姉ちゃん』への出演は、国民的な認知度をもたらす大きな転機となる。モデル出身のイケメンという枠を、着実に俳優としての実力で塗り替えていく過程だった。
2017年、警察小説の傑作『64-ロクヨン-』での熱演が、日本アカデミー賞新人俳優賞という形で実を結ぶ。同年には念願の映画初主演も経験し、7年間在籍した『MEN'S NON-NO』の専属モデルを卒業。これは、ひとりのモデルが、本格的な俳優へと羽ばたくための決意表明に他ならない。バレーボールコートから始まった彼の物語は、まさに新たな章を迎えようとしていた。
ブレイクのきっかけ・代表作
「塩顔男子」という言葉が世を席巻した2010年代半ば、その象徴として一気に注目を浴びた男がいる。坂口健太郎だ。モデルとして『MEN’S NON-NO』の表紙を飾り、その透明感あるルックスで「国民的塩顔」の地位を不動のものとした彼が、俳優としての大きな転機を迎えたのは2016年。警察小説の金字塔『64-ロクヨン-』での熱演が、日本アカデミー賞新人俳優賞という形で評価された瞬間である。端正な顔立ちの裏に潜む、芯の強さと繊細な感情表現を、この作品で多くの観客が知ることになる。
モデルとしての輝きをそのままに、俳優としての地盤を固めた彼の代表作は、まさにその「二面性」を体現するものばかりだ。『君と100回目の恋』では、切ない純愛を紡ぐ青年を演じ、『ナラタージュ』では、淡くも確かな想いを抱える男性像を見事に描き出した。そして、連続ドラマ初主演を果たした『シグナル 長期未解決事件捜査班』では、過去と現在を繋ぐ熱き刑事・三枝健人を熱演。その真摯な眼差しが、難役を確かな説得力で支えている。
彼の魅力は、どこか儚げな風貌と、役に没入する時に漲る静かなる強さの絶妙なバランスにある。朝ドラ『とと姉ちゃん』での爽やかな青年も、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で演じた北条泰時の重厚な佇まいも、全てが「坂口健太郎」という器を通して、新たな命を吹き込まれているのだ。モデルとしてのキャリアが培った画面映えの良さと、役者として貪欲に取り組む姿勢が、今も彼の可能性を広げ続けている。
出演作品
| 公開・放送開始年 | 作品名 |
|---|---|
| 2025 | 盤上の向日葵 |
| 2025 | Dream |
| 2024 | さよならのつづき |
| 2024 | 愛の後にくるもの |
| 2024 | パレード |
| 2023 | CODE ~願いの代償~ |
| 2023 | Dr.チョコレート |
| 2023 | サイド バイ サイド 隣にいる人 |
| 2022 | ヘルドッグス |
| 2022 | 競争の番人 |
| 2022 | 余命10年 |
| 2022 | ヒル |
| 2021 | 第72回NHK紅白歌合戦 |
| 2021 | 婚姻届に判を捺しただけですが |
| 2021 | おかえりモネ |
| 2021 | 劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班 |
| 2021 | エアガール |
| 2020 | 35歳の少女 |
| 2020 | 東京タラレバ娘2020 |
| 2020 | 仮面病棟 |
| 2019 | 劇場版 そして、生きる |
| 2019 | お気に召すまま |
| 2019 | そして、生きる |
| 2019 | ドラゴンクエスト ユア・ストーリー |
| 2019 | 劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん |
| 2019 | イノセンス 冤罪弁護士 |
| 2018 | 人魚の眠る家 |
| 2018 | 世にも奇妙な物語 ’18秋の特別編 |
| 2018 | ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間- |
| 2018 | シグナル 長期未解決事件捜査班 |
人物エピソード・逸話
彼のルックスは「塩顔」という言葉で一世を風靡したが、その実像は意外にも汗と泥にまみれた体育会系だ。
高校時代はバレーボール部のエースとして活躍し、チームを牽引する実力派プレイヤーだった。モデルとしての華やかなイメージからは想像しにくいが、あの細身の体格から繰り出されるスパイクは迫力満点だったという。この経験が、後に役作りのための身体作りや、粘り強い役柄を演じる際の精神力の礎になっていることは間違いない。
俳優としての転機は、2016年公開の『64-ロクヨン-』で警察官・手嶋役を演じたことだ。この演技が高く評価され、第40回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。一気に実力派俳優の仲間入りを果たした。さらに2023年には、『ヘルドッグス』での危険な元自衛官役で第46回日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝き、その演技の幅の広さを改めて証明してみせた。
意外な一面は、人気漫画『ひるなかの流星』の主要キャラクター、馬村大輝のモデルになったことだろう。作者やまもり三香が雑誌で彼の写真を見て「この人だ」と直感し、キャラクター造形に反映させたというエピソードは、彼の持つ独特の“空気感”がフィクションの世界をも動かした証左である。
モデルとして頂点を極めながらも、あえてその地位にしがみつかず、俳優業に専念する道を選んだ潔さ。その選択が、今や「国宝級イケメン」と称される存在でありながら、確固たる演技力で作品を支える俳優・坂口健太郎を形作っているのだ。