高市早苗総理「中国ブチギレ」が「超高支持率」につながる「皮肉なカラクリ」とは
高市早苗 公式Instagramより

 「中国が嫌がれば嫌がるほど、日本の総理大臣としての格が上がる」――

 就任から1カ月が経過した高市早苗総理の支持率が、中国との緊張関係のさなかでも歴史的な高水準を維持している。野党や左派メディアは「対中強硬姿勢が国益を損なう」と批判を繰り返しているが、世論の反応は真逆だ。その背景にあるのは、中国側による「常軌を逸したバッシング」と、それに一歩も引かない「令和の鉄の女」への熱狂的な支持であった。

大阪総領事の「斬首ポスト」が招いた逆効果

 政治部記者が解説する。

「決定打となったのは、11月7日の衆院予算委員会での高市総理による『台湾有事は存立危機事態』発言に対する、中国側のあまりに未熟な反応です。特に駐大阪総領事の薛剣(せつけん)氏が、X(旧Twitter)で高市総理に対し『汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやる』などと示唆する投稿を行った(後に削除)ことは、外交儀礼を無視した暴挙として日本国民を激怒させました。これまでは『中国を刺激するな』という慎重論もありましたが、一国の総理に対して『斬首』をほのめかす野蛮な恫喝を目の当たりにし、世論は『こんな国に媚びる必要はない』『毅然と言い返す高市さんが正しい』という方向に一気に傾いたのです」

 中国外務省や国営メディアも連日のように高市批判を展開し、11月16日には日本への渡航制限まで発表したが、これら全てが裏目に出ている。

 ネット上では「中国公認の総理大臣」「習近平が最も恐れる政治家」という称号が広まり、高市氏の強硬姿勢は、むしろ「安全保障上の信頼の証」として機能し始めているのだ。

「安倍元総理を超えた」覚悟と支持層の拡大

 かつて安倍晋三元総理も中国からの批判を浴びたが、高市総理のスタイルはさらに直球だ。

 前出の記者が続ける。「高市総理は、中国の顔色を窺って発言を修正することが一切ない。薛剣総領事の暴言に対しても、無視を決め込みつつ、裏では防衛費増額と台湾との連携強化を淡々と進めている。この『完全無視&実利追求』の姿勢が、長年の弱腰外交にうんざりしていた無党派層の琴線にも触れているのです。中国が騒げば騒ぐほど、『中国にとって不都合なことをしてくれるリーダー』として日本国民の結束が強まる。皮肉な話ですが、今の高市内閣にとって最強の応援団長は、連日キャンキャンと吠えている中国の戦狼外交官たちなんですよ」

 外交の常識では「近隣諸国との摩擦」はマイナス要素とされる。だが、相手が恫喝しかできない国である場合、摩擦こそが「主権国家としての矜持」の証明となる。

 皮肉にも、中国のブチギレが高市内閣の支持を盤石にしているのであった。

(鮫島知一郎)

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