「あの歌声は、もともと台本になかった」。朝ドラ『ごちそうさん』で脚本家が惚れ込み、当て書きで追加された歌唱シーン。高畑充希の運命を変えたのは、彼女の圧倒的な歌唱力だった。舞台女優を夢見た少女は、9621人の中からシンデレラガールとしてデビューし、今や映像作品のヒロインとして不動の地位を築く。その裏側には、数え切れないほどのオーディション落選と、並々ならぬ努力の日々があった。

基本プロフィール

フリガナ たかはた みつき
生年月日 1991年12月14日
出身地 大阪府東大阪市
身長 158cm
血液型 AB型
所属事務所 ホリプロ
ジャンル 女優・歌手・タレント

生い立ち・デビューまでの経緯

舞台に憧れた少女は、十数回のオーディション落選を糧にした。高畑充希の原点は、挫折を知った小学生時代にある。舞台好きの両親に連れられて観た数々の名作が彼女の心に火を灯し、同時に「自分もそこに立ちたい」という強い願望を生んだ。しかし、その道は甘くなかった。オーディションはことごとく不採用。それでも諦めきれない彼女は、二つの道を並行して歩み始める。一つは女優への道。もう一つは、もしダメなら早稲田の演劇研究会へ、という保険だ。猛勉強の末、名門・四天王寺中学校に進学。軽音部のボーカルとして全国大会にも出場するなど、多才な片鱗を見せつつ、彼女はただひたすらにチャンスを待ち続けた。

その転機は、中学三年の時に訪れる。ホリプロ創業45周年記念オーディションに9621人の応募者が殺到した。その頂点に立ったのは、14歳の高畑充希だった。主演として舞台『屋上の天使』に立った彼女は、まさにシンデレラガールとしてデビューを飾る。しかし、それはゴールではなく、彼女の長い戦いの始まりに過ぎなかった。高校は東京の八雲学園へ進学し、本格的な女優活動をスタートさせる。そして、6年間にわたって務めたミュージカル『ピーターパン』のピーターパン役が、彼女に与えたものは計り知れない。舞台という厳しい世界で、彼女は確かな演技力と、何より「歌うこと」という最大の武器を磨き上げていく。

大学に進学し、一時は平穏な学生生活を送りながらも、彼女の運命を変える役がやってくる。NHK朝ドラ『ごちそうさん』への出演だ。オーディションで決まった役だったが、脚本家・森下佳子は彼女の歌声に惚れ込み、劇中歌を当て書きする。この「焼氷有り〼の唄」が、彼女の持つ圧倒的な歌唱力を全国に知らしめるきっかけとなった。演技力と歌唱力、二つの翼を手に入れた高畑充希は、ここから一気に飛翔を始めるのである。

ブレイクのきっかけ・代表作

彼女の歌声が、朝ドラの脚本家を一瞬で虜にした。高畑充希のブレイクは、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』での一つの「当て書き」から加速したと言えるだろう。脚本家・森下佳子が、彼女の出演する舞台で聴いた歌声に惚れ込み、劇中に歌唱シーンを書き加えたのだ。そこで披露した「焼氷有り〼の唄」は、彼女の圧倒的な歌唱力と芯の通った演技力を全国に知らしめるきっかけとなった。

幼少期からミュージカルに親しみ、数多のオーディションを突破してきた彼女の実力が、ついに大きな舞台で開花した瞬間である。その後、『問題のあるレストラン』での個性的な演技が高い評価を獲得し、ディズニー実写版『シンデレラ』の吹き替えを担当するなど、その活躍の場は一気に広がっていく。

そして2016年、彼女は『とと姉ちゃん』で連続テレビ小説のヒロインに大抜擢される。戦後を懸命に生きる長女・小橋常子を演じ、そのひたむきな魅力で多くの視聴者の心を掴んだのだ。同じ年に公開された映画『植物図鑑』では、恋愛映画のヒロインとしての華やかさも存分に発揮。舞台女優としての確かな技術と、どこか飄々とした親近感のあるキャラクターが融合した、彼女ならではの魅力が爆発した一年となったのである。

出演作品

公開・放送開始年 作品名
2025 秒速5センチメートル
2025 LA PANTHÈRE DE CARTIER
2025 国宝
2024 ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―
2024 1122 いいふうふ
2024 ゴールデンカムイ
2024 光る君へ
2023 怪物
2023 unknown
2023 星降る夜に
2023 宝飾時計
2022 ムチャブリ! わたしが社長になるなんて
2021 いりびと-異邦人-
2021 浜の朝日の嘘つきどもと
2021 キャラクター
2021 明日の食卓
2021 にじいろカルテ
2020 4つの不思議なストーリー~超常ミステリードラマSP
2020 浜の朝日の嘘つきどもと
2020 ヲタクに恋は難しい
2019 同期のサクラ
2019 引っ越し大名!
2019 町田くんの世界
2019 メゾン・ド・ポリス
2018 こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話
2018 旅猫リポート
2018 忘却のサチコ
2018 過保護のカホコ 2018 ラブ&ドリーム
2018 68歳の新入社員
2017 DESTINY 鎌倉ものがたり

人物エピソード・逸話

9621人の中からシンデレラガールとしてデビューした高畑充希には、知られざる「落ちこぼれ」の時代があった。

舞台女優を夢見た少女は、小学生から中学生にかけて十数回のオーディションで全て不合格という挫折を味わっている。しかし彼女はそこで諦めなかった。もしダメなら早稲田大学の演劇研究会に入ろうと、幼い頃から塾に通い猛勉強。難関と言われる四天王寺中学校への進学を果たしたのだ。芸能界への道と学業の道、二つを懸命に歩もうとするしたたかさが、当時から垣間見えるエピソードである。

そんな彼女の転機は2005年、中学在学中に訪れた。ホリプロ創業45周年記念オーディションで、見事主演の座を掴み女優デビューを果たす。その後はミュージカル『ピーターパン』で8代目ピーターパン役を6年間務め、着実に実力を蓄えていった。

本当のブレイクは2013年、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』だった。オーディション合格後、脚本家の森下佳子が彼女の出演する舞台『スウィーニー・トッド』を観劇。その歌声に惚れ込み、劇中歌「焼氷有り〼の唄」を当て書きで追加したという逸話は、彼女の隠れた才能がプロの目に留まった瞬間である。

その後も『問題のあるレストラン』でザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞を受賞し、憧れていた蜷川幸雄演出の舞台では読売演劇大賞優秀女優賞と杉村春子賞をダブル受賞。2016年の朝ドラ『とと姉ちゃん』ではヒロインに大抜擢され、日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の栄誉に輝いた。

一見順風満帆なキャリアの裏には、幾度もの挫折と、それに負けない並外れた準備と努力の歴史が隠されている。秀才でありながら芸能界を志した異色の女優は、常に二つの道を歩み続けているのかもしれない。

おすすめの記事