「松田優作の息子」という宿命を、彼はバイクのエンジン音で吹き飛ばした。大型バイクを駆り、颯爽と街を抜けるその姿は、もはや「二世」の枠を軽々と超えている。イタリアのユースチームで汗を流し、ロンドンの美術学校で感性を磨いた国際派俳優・松田翔太の真骨頂は、ただカッコいいだけではない。『LIAR GAME』で狡猾な天才を演じ、『篤姫』では儚い将軍を演じ分けるその裏側には、父から受け継いだ芸への覚悟と、自分だけの道を切り拓いた強さが潜んでいる。
基本プロフィール
| フリガナ | まつだ しょうた |
|---|---|
| 生年月日 | 1985年9月10日 |
| 出身地 | 東京都杉並区 |
| 身長 | 183cm |
| 血液型 | A型 |
| 所属事務所 | オフィス作 |
| ジャンル | 俳優 |
生い立ち・デビューまでの経緯
「伝説の俳優、松田優作の息子」――その重すぎるレッテルを背負って生まれた男がいた。松田翔太である。父を4歳で亡くし、芸能一家の次男として育った彼の道は、決して平坦なものではなかった。海外でのサッカー留学、ロンドンでの美術修業と、俳優への道とは一見無縁の青春時代を送る。しかし、その多感な時期に異文化で培ったものこそが、後の彼の大きな武器となる。
2005年、19歳で俳優デビューを果たす。だが、世間の注目は「優作の息子」という点にばかり集まった。そんな中、彼が最初に与えられた大きな役が、『花より男子』の西門総二郎だった。おぼろげな記憶の中にしかいない父と同じ道を歩むことへの複雑な思いを抱えながら、彼は優雅でミステリアスな西門を演じきってみせる。この役が、単なる「二世」の枠を超えた、松田翔太という俳優の存在を世に知らしめる第一歩となったのだ。
デビュー作からわずか2年後、『LIAR GAME』で連続ドラマ初主演を勝ち取る。天才的な頭脳戦を繰り広げる秋山深一役は、彼の知性的でクールなイメージを決定づけ、一気にスターダムを駆け上がるきっかけを与えた。父の影からついに飛び立った瞬間である。
ブレイクのきっかけ・代表作
松田翔太の名を一躍知らしめたのは、あの伝説的な「F4」の一員としてだった。2005年、少女漫画の金字塔『花より男子』で華やかな御曹司・西門総二郎を演じ、その優雅でどこか飄々とした佇まいが視聴者の心を鷲掴みにした。しかし、彼の真骨頂はその美貌だけではなかった。
彼が単なる二枚目俳優ではないことを鮮烈に証明したのは、2007年の連続ドラマ『LIAR GAME』での主演である。天才的な頭脳で嘘と欺瞞のゲームを戦う秋山深一役で、冷徹なまでの知性と、どこか人間味を感じさせる複雑な内面を見事に表現してみせた。この作品で、松田翔太は「考える俳優」としての地位を確固たるものにしたと言えるだろう。
その後も、大河ドラマ『篤姫』で若き将軍・徳川家茂の儚さを、映画『イキガミ』では国家の理不尽な命令に翻弄される青年の苦悩を、それぞれに深みを持って演じ分けてきた。インターナショナルスクール出身で海外生活も長い彼の持つ、どこかクールで普遍的な存在感が、どの役柄にも独自の奥行きを与えている。
バイクを愛し、登山に没頭するなど、役者以外の顔も持つ彼の魅力は、常に既成概念を軽やかに飛び越えていくところにある。松田翔太という俳優は、常に次の挑戦を見据えているのだ。
出演作品
| 公開・放送開始年 | 作品名 |
|---|---|
| 2023 | THE TRUTH |
| 2022 | ムチャブリ! わたしが社長になるなんて |
| 2020 | 望み |
| 2020 | 一度死んでみた |
| 2020 | 一度死んでみた |
| 2019 | 東京喰種 トーキョーグール【S】 |
| 2018 | SPECサーガ完結篇「SICK'S 恕乃抄」~内閣情報調査室特務事項専従係事件簿~ |
| 2018 | 犬ヶ島 |
| 2018 | だまされてペロペロ わかれて貰います |
| 2018 | 西郷どん |
| 2017 | ファイナルライフ-明日、君が消えても- |
| 2016 | オーバー・フェンス |
| 2016 | ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS |
| 2016 | 家売るオンナ |
| 2016 | ディアスポリス -異邦警察- |
| 2015 | ここにある幸せ |
| 2015 | イニシエーション・ラブ |
| 2014 | スイートプールサイド |
| 2014 | 宮本武蔵 |
| 2013 | 海の上の診療所 |
| 2013 | 潜入探偵トカゲ |
| 2012 | ライアーゲーム -再生- |
| 2012 | アフロ田中 |
| 2012 | 平清盛 |
| 2012 | 平清盛 |
| 2011 | ハードロマンチッカー |
| 2011 | スマグラー おまえの未来を運べ |
| 2011 | ドン★キホーテ |
| 2010 | 流れ星 |
| 2010 | ケンタとジュンとカヨちゃんの国 |
人物エピソード・逸話
松田翔太は、単なる「俳優の息子」では終わらない、驚くべき経歴の持ち主だ。
4歳で伝説的な俳優、松田優作を亡くした彼は、少年時代をイタリア・セリエAのサンプドリアユースで過ごした元サッカー少年である。芸能界とは無縁の環境で育ち、17歳からはロンドンの美術学校に留学。そのため英語は堪能で、『花より男子』撮影時には共演者に英会話を教えていたという逸話も残る。
2005年のデビュー後、『花より男子』の西門総二郎役で一躍注目を浴びるが、彼の真骨頂はその端正な顔立ちからは想像しにくい、異色の役柄への挑戦にある。2007年、映画『ワルボロ』での初主演で毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞。さらに2009年には『イキガミ』での演技が高く評価され、日本アカデミー賞新人俳優賞、エランドール賞新人賞と、主要な新人賞を総なめにした。
私生活では、モデルの秋元梢との結婚で知られるが、彼の趣味はバイクと登山というアクティブなもの。特に愛車はドゥカティの大型バイクで、その姿は役柄とはまた違った男前さを感じさせる。
掃除がストレス発散という几帳面さを持ちながら、かつては海外のピッチを駆け回った。そんな複数の顔を持つからこそ、『LIAR GAME』の天才詐欺師から『篤姫』の徳川家茂まで、幅広い役を消化できるのだろう。