彼女の名は「杉咲花」。かつては「梶浦花」という名の子役だった。その名を変え、研音の扉を叩いた時から、彼女の運命は大きく動き始める。NHK朝ドラ『おちょやん』のヒロインに抜擢され、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』では数々の助演女優賞を総なめにした実力派女優である。しかし、その裏には3度の朝ドラオーディション落選という挫折があった。両親は音楽家という芸能一家に生まれながらも、自らの意志で女優の道を切り拓いてきた。清純なイメージとは裏腹に、将棋にハマるなど知的な一面も覗かせる。次世代を担う女優の素顔に迫る。
基本プロフィール
| フリガナ | すぎさき はな |
|---|---|
| 生年月日 | 1997年10月2日 |
| 出身地 | 東京都 |
| 身長 | 153cm |
| 血液型 | B型 |
| 所属事務所 | 研音 |
| ジャンル | 女優 |
生い立ち・デビューまでの経緯
芸能界への扉は、彼女が「梶浦花」と名乗っていた幼い頃に開かれていた。しかし、真のスタートは中学生の時に訪れる。女優への憧れを強く抱いた彼女は、憧れの志田未来と同じ舞台に立つため、研音のオーディションに挑戦した。2011年、見事合格を果たし、芸名を「杉咲花」に改めたのだ。この改名は、彼女の新たな出発を象徴するものだった。
デビュー後、彼女は回鍋肉を頬張る美少女としてCMで一躍話題をさらう。しかし、その一面的なイメージに縛られることはなかった。子役時代から積み上げてきた演技力は、『妖怪人間ベム』や『夜行観覧車』といった作品で確かな存在感を示し始める。そして2014年、『日経トレンディ』が選ぶ「2015年の顔」に選出される。これは、まだ本格的なブレイク前夜に、業界がその潜在能力を認めた証左と言えるだろう。
やがて、その期待は確信へと変わる。2016年、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』での妹役は、多くの視聴者の心を掴んだ。そして同年公開の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』では、複雑な家庭に生きる娘を演じ、日本アカデミー賞をはじめとする数々の助演女優賞を受賞。ここに、子役出身の少女は、確かな実力派女優へと飛躍を遂げたのである。
ブレイクのきっかけ・代表作
彼女の名を一躍知らしめたのは、あの“回鍋肉”のCMかもしれない。しかし、杉咲花という女優の真骨頂は、儚げな美少女のイメージを軽々と超えた、芯の強さと表現の深さにある。
子役時代を経て、2016年は彼女にとって大きな転機となった年だ。NHK朝ドラ『とと姉ちゃん』ではヒロインの妹・美子を演じ、その健気でひたむきな姿が多くの視聴者の心を掴んだ。そして、同じ年に公開された映画『湯を沸かすほどの熱い愛』での銭湯の娘・安澄役は、彼女の演技力に一気にスポットライトを当てる。宮沢りえ演じる母との複雑な感情の機微を見事に表現し、数々の助演女優賞を総なめにしたのである。この作品で、彼女はもはや“期待の若手”ではなく、“確かな実力派”であることを世に知らしめたのだ。
その後も、連ドラ初主演を果たすなど活躍の場を広げるが、彼女の真価が再び輝いたのは2020年度後期の朝ドラ『おちょやん』でのヒロインぶりだろう。モデルとなった浪花千栄子という大女優の人生を、少女時代から晩年までを圧倒的な存在感で演じきった。この役はオーディションではなく直接のオファーだったが、実は過去3度もヒロインオーディションに落ちていたことを明かしている。その挫折をバネに、つかみ取った大役だった。
杉咲花の魅力は、可憐なルックスに潜む、貪欲なまでの役者魂にある。憧れの志田未来がいる研音を自ら選び、将棋にハマるほどの集中力で役に向き合う。次に彼女がどんな“大人のラブストーリー”を見せてくれるのか、その成長から目が離せない。
出演作品
| 公開・放送開始年 | 作品名 |
|---|---|
| 2026 | クロエマ |
| 2026 | 冬のなんかさ、春のなんかね |
| 2025 | 劇場版 緊急取調室 THE FINAL |
| 2025 | ミーツ・ザ・ワールド |
| 2025 | 片思い世界 |
| 2024 | 海に眠るダイヤモンド |
| 2024 | 朽ちないサクラ |
| 2024 | アンメット ある脳外科医の日記 |
| 2024 | 52ヘルツのクジラたち |
| 2023 | 屋根裏のラジャー |
| 2023 | 市子 |
| 2023 | 法廷遊戯 |
| 2023 | 大名倒産 |
| 2023 | 杉咲花の撮休 |
| 2022 | ぼくらのよあけ |
| 2022 | プリズム |
| 2021 | 99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE |
| 2021 | 99.9-刑事専門弁護士- 完全新作SP新たな出会い篇 〜映画公開前夜祭〜 |
| 2021 | 黒川森生、アルバイト探してますっ! |
| 2021 | 恋です! 〜ヤンキー君と白杖ガール〜 |
| 2021 | サイダーのように言葉が湧き上がる |
| 2021 | 妖怪大戦争 ガーディアンズ |
| 2020 | おちょやん |
| 2020 | 青くて痛くて脆い |
| 2020 | 弥生、三月 君を愛した30年 |
| 2019 | 世にも奇妙な物語 ’19秋の特別編 |
| 2019 | 楽園 |
| 2019 | 十二人の死にたい子どもたち |
| 2019 | ハケン占い師アタル |
| 2019 | いだてん〜東京オリムピック噺〜 |
人物エピソード・逸話
彼女の名は「花粉症」に由来する? 杉咲花という芸名に秘められた意外なエピソードがある。
「杉に咲く花で花粉症だね」。本人も花粉症である杉咲は、こう言われることが多いという。しかし、その名前は今や日本を代表する若手女優の代名詞となった。子役時代を「梶浦花」として過ごした彼女が、憧れの志田未来と同じ研音への移籍を機に「杉咲花」と改名したのは2011年。その決断が、後の飛躍への礎となったのだ。
その実力が爆発したのは2016年だ。NHK朝ドラ『とと姉ちゃん』でヒロインの妹・美子を演じ、一気に知名度を上げる。そして、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』では銭湯を営む一家の娘・安澄役で圧巻の演技を見せつけ、日本アカデミー賞をはじめ、ブルーリボン賞、キネマ旬報ベスト・テンなど、主要な映画賞の助演女優賞を総なめにした。わずか18歳での快挙である。
意外なのは、そのイメージとは裏腹な趣味の数々だ。ロングヘアがトレードマークだったが、主演ドラマ『花のち晴れ』の役作りのためばっさり30センチも切る潔さ。さらに、将棋にハマっていることがテレビで紹介され、ナイトライフはJ-WAVE『JUMP OVER』を聴くという渋好みも持つ。最近ではガールズグループ「HANA」の大ファンとなり、人生で初めてファンクラブに入会したというから、そのストレートな感情表現も魅力の一端だろう。
両親がミュージシャンという芸能一家に生まれながらも、自らの意志で女優の道を切り開いてきた。朝ドラ『おちょやん』ではオファーでヒロインに抜擢されたが、実は過去3度もヒロインオーディションに落ちていた過去を明かしている。華々しい受賞歴の陰には、そうした不断の努力が隠されているに違いない。