ニューヨークで行われたWE LOVE NYC THE HOMECOMING CONCERTの話をしよう。
去年の8月21日、コロナパンデミックからカンバックしたニューヨークを祝うフリーコンサートがセントラルパークで開催された。
出演者は豪華でJennifer Hudson, Andrea Bocelli, NY Philharmonic Orchestra, Earth Wind and Fire , Barry Manilow, Journey, The Killers, Elvis Costello, Carlos Santana, LL Cool J, Patti Smith, Paul Simon, Bruce Springsteenなどミュージックシーンでの超大物達だ。
僕はコンサート当日ではなく前日のリハーサルを見にセントラルパークに出向いた。7万人もが集まるコンサートを見に行くには、まだリスクがあるのではと思ったことに加え、セントラルパークでのコンサートは前日にリハーサルでステージから近い位置から見る事が出来るのを知っていたからだ。
ちょうどお昼位に行ったらEarth Wind and Fireが「September」を演奏している所だった。それからリハーサルは夜の8時位まで続いて、Patti Smith のリハーサル終わりで帰路に着いたのだが、残念ながらPaul Simon, Bruce Springsteenのリハーサルは行われなかった。
このリハーサルで感動したのはBarry Manilowだった。リハーサル中、彼のマイクの位置が腰上位だったので、これは口パクなのかと思ったら、実際に歌っていたのだ。
78歳であの歌唱力には度肝を抜かれた。さすがだ。この2ヶ月後には同じ歳のミックジャガーのコンサートを見る事になるが、この時代のミュージシャンは神がかっていると痛感した。
その日セントラルパークに来ていた人々はピックニック感覚でセントラルパークの芝の上で座ってリハーサルを楽しんでいた。なんて贅沢な時間なのだろう。
本番の翌日は不運な事にBarry Manilowのライブ中に雷雨によるコンサート中断となり、天候の回復を待ったが結局コンサートは完全中止となった。天候待ちの時にこのコンサートを中継していたCNN が電話でのバックステージでのライブインタビューが行われていて、電話越しにアーティストが待機しているキャンピングカーでアカペラで歌うThe Killers の「Mr. Brightside 」やBarry Manilowのピアノの弾き語り、控え部屋となっているトレラーにピアノが用意されているのも驚きだった。
それに加えてElvis Costello、Patti Smithのライブコメント等、コロナパンデミックからカンバックを祝うこのコンサートの重要性を語っていた。Paul Simon はアッパーウエストの自宅で待機していたとの事だった。
雷雨でコンサートが中止になり大物のパフォーマンスは見る事は出来なかったが、このコンサートはニューヨークがコロナパンデミックからカンバックした日として、歴史に刻まれる事だろう。
(国際プロデューサー・仁龍之介)