彼女の目に映るのは、パン屋の暖かな灯りか、それともカメラのフラッシュか。福本莉子は、かつて「いい匂いがするから」とパン屋を夢見た少女だ。しかし今、彼女は「東宝シンデレラ」の称号を手に、日本のエンターテインメント界を駆け上がっている。その歩みは、どこか彼女の好きなドーナツのように、甘く、そして驚きに満ちている。
基本プロフィール
| フリガナ | ふくもと りこ |
|---|---|
| 生年月日 | 2000年11月25日 |
| 出身地 | 大阪府 |
| 身長 | 156cm |
| 所属事務所 | 東宝芸能 |
| ジャンル | 女優・声優 |
ドーナツ屋の夢から東宝シンデレラへ
彼女の人生を変えたのは、たった一度の「挑戦してみよう」という思いだった。大阪で生まれ育った福本莉子は、幼い頃の夢はパン屋かドーナツ屋。テレビっ子でドラマをこよなく愛するも、女優になることなど考えてもいなかった。しかし、高校生になり「何かに挑戦したい」という気持ちが芽生えた時、友人が教えてくれたオーディションの存在が運命の扉を開ける。2016年、第8回「東宝シンデレラ」オーディション。彼女は迷わず応募票を手にした。「人生、一度きりだしな」。その直感が、グランプリと集英社賞という二つの栄冠をもたらしたのである。2017年、テレビ番組へのゲスト出演で華々しいデビューを飾る。ドーナツ屋でアルバイトをしていた少女は、一瞬で日本を代表する大型新人女優へと変貌を遂げたのだ。
『思い、思われ』で確立した芯のある清純派
彼女のブレイクは、まさに「恋愛映画の申し子」としての地位を確立した瞬間から始まった。2020年公開の『思い、思われ、ふり、ふられ』で映画初主演を果たした福本莉子は、その透明感あふれる美しさと、どこか儚げな芯の強さを併せ持つ演技で、一気に若い世代の共感を掴み取ったのである。
もともと「東宝シンデレラ」の栄冠に輝いた経歴を持つが、彼女の魅力は単なる「お姫様」的な可愛らしさだけではない。中学時代にサッカー部で右サイドハーフを務めたというスポーツ経験が、作品によっては凛とした立ち姿や、意志の強さを感じさせる佇まいに活きている。甘いマスクの裏側に潜む、したたかさやひたむきさを感じさせるのが、彼女の演技の真骨頂と言えるだろう。
代表作である『思い、思われ、ふり、ふられ』では、複雑に絡み合う四角関係のなかで、ひたむきに恋に悩む女子高生・市原由奈を演じた。その切なさと純粋さは、多くの観客の胸を打ったに違いない。さらに2022年には、ドラマ『消えた初恋』での演技が高く評価され、助演女優賞を受賞。コミカルな役柄もこなせる幅の広さを見せつけた。
今や彼女は、清純派ながらも芯のある若手女優として、確固たる地位を築きつつある。次にどんな役で我々を驚かせるのか、その成長が楽しみでならない。
出演作品
| 公開・放送開始年 | 作品名 |
|---|---|
| 2026 | ラムネモンキー |
| 2025 | ストロボ・エッジ |
| 2025 | 隣のステラ |
| 2025 | 隣のステラに願いを込めて |
| 2025 | #真相をお話しします |
| 2025 | お嬢と番犬くん |
| 2025 | カイリューとゆうびんやさん |
| 2025 | 劇場版 トリリオンゲーム |
| 2024 | 室井慎次 生き続ける者 |
| 2024 | 室井慎次 敗れざる者 |
| 2024 | 全領域異常解決室 |
| 2024 | ディア・ファミリー |
| 2023 | ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~ |
| 2023 | トリリオンゲーム |
| 2022 | 劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編 |
| 2022 | 今夜、世界からこの恋が消えても |
| 2022 | 赤いナースコール |
| 2022 | 20歳のソウル |
| 2022 | お勢、断行 |
| 2022 | 昭和歌謡ミュージカル また逢う日まで |
| 2022 | 村井の恋 |
| 2022 | 君が落とした青空 |
| 2022 | 金魚妻 |
| 2021 | 消えた初恋 |
| 2021 | しあわせのマスカット |
| 2021 | 華麗なる一族 |
| 2021 | 賭ケグルイ双 |
| 2021 | 夢中さ、きみに。 |
| 2020 | 歴史迷宮からの脱出〜リアル脱出ゲーム×テレビ東京〜 |
| 2020 | 映像研には手を出すな! |
ニーチェを敬愛する元サッカー部の素顔
彼女の原動力は、なんと「ドーナツ」だった。福本莉子が芸能界を目指したきっかけは、実に等身大の少女の欲望にある。小さい頃からドーナツが大好きで、パン屋さんになるのが夢だったという。そんな彼女が、高校生の時に「何かに挑戦したい」と友人から聞いたオーディションに応募。それが運命の第8回「東宝シンデレラ」だった。見事グランプリを勝ち取り、甘い夢は演技の世界へと変貌を遂げる。
デビュー後は、その透明感のあるルックスと芯の強さを武器に、次々と初体験を積み重ねていく。初舞台にしてミュージカル『魔女の宅急便』の主役を射止め、映画では『思い、思われ、ふり、ふられ』で初主演を経験。そのひたむきな努力は確実に実を結び、2022年には『消えた初恋』での演技で二つの助演女優賞を受賞した。そして2023年、『今夜、世界からこの恋が消えても』での繊細な演技が評価され、日本アカデミー賞新人俳優賞という輝かしい栄冠を手にするに至る。
しかし、スクリーンやステージの上だけが彼女の全てではない。特技は中学時代に培ったサッカーで、右サイドハーフとしてピッチを駆け回ったという意外な一面を持つ。哲学者ニーチェを尊敬し、漫画『椿町ロンリープラネット』を愛する知性派だ。好きな食べ物がピザとトマトという、どこか親近感の湧く食の好みもまた、彼女を等身大に感じさせる。
ドーナツ好きの少女が、数々の栄光を手にした今でも、その根底にあるのは「好き」という純粋な気持ちなのかもしれない。役者としてのさらなる高みへ、彼女は今、静かに歩みを進めている。