1月6日、宝島社が新聞各紙に掲載した企業メッセージ広告が注目を集めている。
「君たちは腹が立たないのか。」「暴力は、失敗する。」「ねちょりんこ、ダメ 。」
読売新聞には「君たちは腹が立たないのか。」、日本経済新聞には「暴力は、失敗する。」、朝日新聞と日刊ゲンダイには「ねちょりんこ、ダメ 。」を“企業として社会に伝えたいメッセージ”として掲載した。
原画に葛飾北斎「伝神開手 北斎漫画 」八編
いずれもインパクト絶大なメッセージ広告だが、とりわけネット上で話題となっているのが「ねちょりんこ、ダメ 。」だ。
葛飾北斎の「伝神開手 北斎漫画 」八編を原画に用い「ねちょりんこ、ダメ。」のコピーをピンク色で記した同広告。「濃厚接触による感染拡大は、個人の責任だそうです。宝島社」と右下に綴られている。
【画像】読売新聞に掲載された広告「君たちは腹が立たないのか。」
「ウイルスの存在におびやかされる毎日」
果たしてどのようなメッセージなのか。
この広告について同社は「ウイルスの存在におびやかされる毎日。私たち市民の生活は制限され、日常ががらりと変化しました」とコロナ禍を扱ったものであると説明。
「自粛の先にはどんな未来があるのでしょうか」
「いったい何をどこまで自粛したら良いのでしょうか。社会的距離をとることを求められるなか、不用意な『濃厚接触』は避ける必要があることを、“ねちょりんこ” という言葉(造語)と北斎漫画で表現しました。指針が定まらず、戸惑い、判断に迷うばかりですが、自粛の先にはどんな未来があるのでしょうか。いま一度、考えるきっかけになることを願います。」と広告の意図を紹介している。
1988年(昭和63年)には「堕落ねちょりんこプロ」が存在
宝島社の造語である「ねちょりんこ」というキーワードだが、実は1988年(昭和63年)に刊行された「ケイブンシャの大百科別冊 仮面ライダーブラック②」でも使用されていた。
この本の構成を担当したプロダクションの名前が「堕落ねちょりんこプロ」だったのだ。
1998年から「生年月日を捨てましょう。」「いい国つくろう、何度でも。」などメッセージの強い企業広告を世間に送り出している宝島社。「2度目の緊急事態宣言」が発令されるタイミングにふさわしい「ねちょりんこ、ダメ 。」のメッセージとなった。
(中村シュン)