6月6日、芸能界を揺るがす大スキャンダルが駆け巡った。「FRIDAYデジタル」が吉本興業所属の複数芸人による反社会的勢力相手の「闇営業」を報じたのである。
翌7日発売の「FRIDAY」で「宮迫博之ほか吉本興業人気芸人が犯罪集団に『闇営業』」と題して掲載された今回の問題。
記事によると15年6月、警視庁に一斉逮捕された主犯格の大野春水や金宣秀ら男女計40人の「組織的振り込め詐欺グループ」が14年末に開いていた忘年会に、雨上がり決死隊の宮迫博之をはじめ、複数の人気芸人が「闇営業」として参加していたのだという。
詐欺グループと芸人との仲介役を務めたのは“人脈芸人”として知られるカラテカの入江慎也。昨年、漫画「大家さんと僕」を大ヒットさせた芸人・矢部太郎の相方である。
入江の手引きによって、ホテルの宴会場を貸し切って行われたという忘年会に参加したのは宮迫ほか、レイザーラモンHG、ガリットチュウの福島善成、ロンドンブーツ1号2号の田村亮といった錚々たる顔ぶれ。
歌やモノマネ、トークを披露し、入江を通じて芸人ひとりあたり100万円程度のギャラが払われたのだという。
入江、宮迫ら芸人たちは「相手が振り込め詐欺グループとは知らなかった」と証言しているものの、この報道により吉本興業は入江の契約解除を発表。
宮迫が司会を務める「アメトーーク!」を放送するテレビ朝日は「放送予定に影響ありません」としているものの、問題の波紋は収まりそうにない。
今回の事件について「芸人仲間の間では『そのうちこういう問題に発展しかねないと思っていた』との声がほとんどですね」と語るのは30代の中堅芸人Aだ。
「『数百人レベルで社長の知り合いがいる芸人』は相当いる」
「以前から入江さんはバラエティ番組で『友達が5000人いる』と豪語していましたが、基本的に仕事の少ない若手芸人は『どれだけお金持ちの知り合いを見つけられるか』で生活レベルが決まるところがある。そうした事情から入江さんとモノマネのミラクルひかるさんを筆頭に『数百人レベルで社長の知り合いがいる芸人』は相当いると思います」
そう語る芸人Aは「今回の問題はまだまだ氷山の一角でしょうね」と指摘する。
「僕自身、20代の頃に知り合いの芸人に誘われて、事務所を通さない『闇営業』に行ったら、明らかに“その筋の人たち”の宴会で震え上がったことがある。結局、短いネタを見せて逃げるように帰ってきましたが、“営業先”の人達がどんな職業の人なのかを事前に確認しなかったことを激しく後悔しました。どうしても若手芸人はお金を持ってないだけに呼ばれるとホイホイ行ってしまうんです」
芸人の「闇営業」が横行する背景には深刻な「構造的問題」があった。
(川本みゆき)