かつて美容師を目指していた男が、今や俳優としての地位を確固たるものにしている。成田凌のキャリアは、一つの諦めから始まったと言っても過言ではない。美容専門学校に通いながら、同居していた友人が同じ美容室を志望したことをきっかけに、彼は自らの道を変える決断を下す。その選択が、『MEN'S NON-NO』のモデルオーディション合格へとつながり、やがて彼の真の望みであった「役者」への扉を開くことになる。モデルとして人気を博しながらも、常に俳優としての本領を発揮する機会をうかがっていたのだ。

基本プロフィール

フリガナ なりた りょう
生年月日 1993年11月22日
出身地 埼玉県
身長 183cm
血液型 O型
所属事務所 ソニー・ミュージックアーティスツ
ジャンル 俳優・モデル

生い立ち・デビューまでの経緯

彼は美容師になるはずだった。埼玉で生まれ育った成田凌は、専門学校に通い、就職活動まで始めていた。しかし、同居していた友人が同じ美容室を志望していると知った瞬間、彼はその道をあっさりと諦める。人生の岐路で、彼は驚くほど潔かったのだ。

その代わりに選んだのは、全く別の世界への挑戦だった。『MEN'S NON-NO』のモデルオーディションに応募する際、彼は事務所にこう伝えている。「役者をやりたいので、手助けをしてほしい」。モデルとしてのキャリアは、あくまで俳優になるための通過点でしかなかった。2013年に専属モデルとしてデビューした彼は、確かに颯爽としたルックスで雑誌のページを飾った。しかし、その視線の先には常に「役者」という目標があったに違いない。

そして2014年、待望の俳優デビューを果たす。フジテレビNEXTのドラマ『FLASHBACK』で高梨臨とW主演を務めたのだ。モデルとしての知名度を背景に、いよいよ本格的な演技の道へと歩みを始めた。だが、この時点ではまだ「元モデル」の枠を超えられていなかった。本当の評価が待ち受けているのは、この先のことである。

ブレイクのきっかけ・代表作

かつて美容師を目指していた男が、今や日本映画界を牽引する若手俳優の一人となった。成田凌のブレイクのきっかけは、2017年に出演した月9ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 3rd season』での存在感ある演技にあると言えるだろう。しかし、その真の飛躍は、2018年公開の映画『スマホを落としただけなのに』と『ビブリア古書堂の事件手帖』での演技が高く評価され、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したことだった。特に『スマホを落としただけなのに』では、一見善良な青年が持つ危うい闇を見事に表現し、観客に強い衝撃を与えたのである。

彼の代表作として外せないのは、2019年に主演した『カツベン!』だ。戦前の弁護士を熱演し、毎日映画コンクール男優主演賞を受賞したこの作品は、モデル出身という華やかなイメージを打ち破る、役者としての芯の強さを世に知らしめた。また、同年の『愛がなんだ』や『さよならくちびる』での繊細かつ破綻のない演技は、キネマ旬報ベスト・テンなど数々の助演男優賞をもたらし、その表現力の幅の広さを証明している。

元々俳優志望でありながらモデルとして頭角を現した経歴が、彼の役作りに独特の奥行きを与えている。ファッション誌で培った表現力と、役柄に没頭する貪欲な姿勢が融合した時、成田凌は唯一無二の輝きを放つのである。

出演作品

公開・放送開始年 作品名
2026 #拡散
2026 冬のなんかさ、春のなんかね
2025 平場の月
2025 匿名の恋人たち
2025 ブラック・ショーマン
2025 初恋DOGs
2025 クジャクのダンス、誰が見た?
2024 【推しの子】-The Final Act-
2024 雨の中の慾情
2024 【推しの子】
2024 スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム
2024 降り積もれ孤独な死よ
2024 1122 いいふうふ
2024 アリバイ崩し承りますスペシャル
2023 OZU ~小津安二郎が描いた物語~
2023 こいびとのみつけかた
2023 転職の魔王様
2023 宝飾時計
2022 モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~
2022 コンビニエンス・ストーリー
2022 パンドラの鐘
2022 あなたに聴かせたい歌があるんだ
2022 ニワトリ☆フェニックス
2022 ちょっと思い出しただけ
2022 逃亡医F
2021 竜とそばかすの姫
2021 くれなずめ
2021 ホムンクルス
2021 まともじゃないのは君も一緒
2021 逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類! 新春スペシャル!!

人物エピソード・逸話

成田凌の裏側には、一度は諦めた「美容師」というもう一つの人生が潜んでいる。

モデルとして華々しいキャリアをスタートさせた成田だが、実は美容専門学校に通い、美容師を目指していた過去を持つ。しかし、同居していた友人が同じ美容室を志望したことを知り、自らその道を断念したという。皮肉なことに、後にドラマ『人は見た目が100パーセント』で念願の美容師役を演じることになるのだから、人生の縁とは不思議なものだ。

彼の俳優としての転機は、2016年にNHK BSプレミアムで放送された『ふれなばおちん』での年下男性役だった。長谷川京子演じるアラフォー主婦と織りなす危険な恋を、清潔感の中に危うさを漂わせて演じ切り、一気に演技派としての評価を固めた。この作品が、後の多彩な役柄への扉を開けたと言えるだろう。

そして2019年は、まさに「成田凌の年」と呼ぶにふさわしい飛躍の年となった。『チワワちゃん』『愛がなんだ』『さよならくちびる』と、まったく異なる三作品でみせた変幻自在の演技が高く評価され、報知映画賞、ヨコハマ映画祭、キネマ旬報ベスト・テンと、主要な映画賞の助演男優賞を総なめにしたのである。さらに主演作『カツベン!』では毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。これは前年の日本アカデミー賞新人賞に続く快挙だった。

しかし、彼の意外な一面は音楽の分野にも及ぶ。映画『キセキ -あの日のソビト-』では、GReeeeNの前身バンド「グリーンボーイズ」の一員として、菅田将暉、横浜流星、杉野遥亮と共にCDデビューを果たしている。本人は「タモリさんに『髪切った』って言われたい」と茶化していたが、音楽番組『ミュージックステーション』で歌声を披露するなど、その行動力は芸能界の枠に収まらない。

モデルとしてのキャリアを一旦卒業し、俳優一本に絞った今、彼の内に秘めた「諦めなかった何か」が、さらに大きな役を呼び寄せようとしている。

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