友人から招待されて「THE MATCH 2022」を東京ドームで観て来た。観客はほぼ満員で5万9000人前後。GATE20付近の1階席だった。
K-1やRISEの事はあまり詳しくなかった僕だが、東京ドームの熱狂的な観客に人気の凄さを感じた。
試合のルールは基本的にK-1のルールに則っていたので、ほぼキックボクシングと言った印象だった。ただ、キックボクシングは通常5ラウンドだが、今回はK-1、RISEのルールと同じ3ラウンドで終了なので僕としてはちょっと物足りなさを感じた。
もちろん3ランウド内にノックアウトもあるが、判定で勝負が決まるのが多いのはラウンド数が少ないからではないかと思う。
僕はどちらかというとボクシングが好きなのである程度、勝ち負けの勝負所はわかっているつもりだが、メインイベントの武尊VS. 那須川天心の試合は、あの後もう2ラウンドあれば天心が武尊をノックアウトしたか、もしくは武尊が天心をノックアウトして逆転勝利の可能性もあったのではと思った。
武尊からは打たれ強さに凄みを感じた。天心のパンチを受けても笑ながら前に向かって来る。武尊の体力と度胸に感銘を受けた。これはあくまでも僕の勝手な言い分なので、ファンの方は気を悪くしないでほしい。
東京ドームに来ていた観客は選り取りみどりで色んなタイプの人達が集まっていた。僕の近くの席には関取も何人か見に来ていた。アメリカの球場やスタジアムを知っている僕にとっては東京ドームの席は小さく感じた。
関取さん達がよくその小さな狭い席で収まっている事に驚きだった。まあ、関取さん達は通路側の席だったので体の三分の一は通路側にはみ出ていた様に見えたが、かなり窮屈だったのではと思った。
年齢層もかなり幅広く、子連れの人達も居る。男性陣はスーツやお洒落した人達、応援している選手のネームが入りTシャツを着ている人達、ヤンキーぽい人達とピンキリだった。その中でも驚いたのは女性の観客が多いこと。
カップルで来ている人達が多かったが、中には女性同士で来ている人達も多くいて、それも皆色んな意味での美人さんだった。殆どの女性がそれぞれの個性でドレスアップしていてその様はとても粋だった。
喫煙所での光景もまったく違っていた。喫煙場は各ゲート出入り口近くに設置されていたのだが、そこは想像以上にごった返していた。回転扉2個で喫煙所と出入りを係員さんが誘導していたのだが、その回転ドア2個しかない為、驚きの長蛇の列だった。
会場側がもう少し工夫すればここまで混まない様に出来たのでと思うが、喫煙者の為にそこまでは考えないのだろう。悪気なく列を飛び越してドアに向かう若い女性達が居たが、僕はすかさず「すみません。皆並んで待っているんだけど。。」と声を掛けたら列に気づき、素直に後ろに列に戻って行った彼女達を見て、いい子達なんだなとふと微笑みが漏れた。
回転ドアの誘導をしている係員さんたち。ずーっとそれだけを担当していたようで、ある係員さんに「大変ですね。有難うございます」と声を掛けると、微笑みながら「有難うございます!」と答えてくれた。アメリカでは当たり前に伝える感謝の言葉だが、日本では殆どの人が感謝の気持ちを伝える事が苦手なのだろうと思った。
係員が居る事で事故を防ぎ、2個しかない回転ドアを円滑に出入りが出来る様にしているのだから、感謝するべきではと僕は思うけど、一般的にはそれが当たり前と思い込んでしまっているのだろう。まあ一人でも感謝の気持ちを伝えられた事は係員さん達には良かったかなと思っている。
この喫煙所、通常の東京の喫煙所に集まる人達とはまったく違っていて、男女それぞれお洒落な人達も多く集まっていた喫煙所に80年代の頃を思い出させてくれた光景に嬉しく感じた僕だった。
(国際プロデューサー・仁龍之介)