新体操のインターハイ出場から、なぜ女優の道へと転身したのか。土村芳の決断の裏には、忘れられない「あの感覚」があった。
基本プロフィール
| フリガナ | つちむら かほ |
|---|---|
| 生年月日 | 1990年12月11日 |
| 出身地 | 岩手県盛岡市 |
| 身長 | 160cm |
| 血液型 | B型 |
| 所属事務所 | ヒラタオフィス |
| ジャンル | 女優 |
生い立ち・デビューまでの経緯
岩手の地で3歳から舞台に立っていた少女は、新体操の華麗な競技者へと変貌した。インターハイ出場という華々しい実績を手にしながら、彼女の心には消えなかった灯があった。舞台の上で味わったあの「ワクワク感」である。体育教師への道を捨て、彼女は京都の芸術大学へと進む。そこには、後に同じく女優として名を馳せる黒木華という先輩の存在が、彼女をさらに鼓舞したに違いない。
そして運命の出会いが訪れる。大学教授でもあった映画監督、林海象に見出され、学生制作映画で主演の座を射止める。永瀬正敏と共演した『彌勒 MIROKU』での初主演は、彼女が本物の才能を秘めていることを証明した瞬間だった。大学卒業とともに上京し、ヒラタオフィスに所属。地道な活動を続ける中で、ついに大きな転機が訪れる。何度も書類落ちしていたNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』のオーディションで、ついに最終選考まで残ったのである。
ヒロイン役こそ逃したものの、親友・村田君枝役でのレギュラー出演は、彼女の「昭和顔」と称される楚々とした佇まいを全国に知らしめるきっかけとなった。人前で話すのは苦手だという内気さが、かえって役の慎ましさに重なり、視聴者の心を掴んだ。舞台の上では別人のように変わる、まさに天性の女優の誕生を予感させるデビューストーリーである。
ブレイクのきっかけ・代表作
彼女のブレイクは、まさに「昭和顔」という言葉が降って湧いたかのような瞬間だった。新体操でインターハイに出場したスポーツ少女が、なぜかしら漂う楚々とした大和撫子の風情。そのギャップこそが土村芳の最大の魅力である。
2016年後期の連続テレビ小説『べっぴんさん』で、ヒロインの親友・村田君枝役を演じたことが大きな転機となった。生真面目で病弱なその役柄を、慎ましやかでありながら芯の通った演技で見事に演じきり、一躍注目を集める存在となったのだ。それまで何度も朝ドラのオーディションに挑戦しては書類で落ちていたというから、そのブレイクには並々ならぬ思いがあったに違いない。
代表作としては、やはり『べっぴんさん』が挙げられるだろう。しかし彼女のキャリアはそれだけに留まらない。在学中から才能を見出した映画監督・林海象に見いだされ、『彌勒 MIROKU』では永瀬正敏とともに映画初主演を果たしている。舞台では三浦大輔作品への出演も経験し、女優としての幅を着実に広げてきた。
見た目から受ける「大人しい」印象とは裏腹に、内にはアスリート時代に培った強靭な精神と、役者としての貪欲な探求心を秘めている。一つのイメージに収まらない女優を目指すという彼女の今後に、ますます目が離せない。
出演作品
| 公開・放送開始年 | 作品名 |
|---|---|
| 2025 | 港に灯がともる |
| 2024 | Shrink―精神科医ヨワイ― |
| 2024 | 1122 いいふうふ |
| 2024 | 瓜を破る~一線を越えた、その先には |
| 2023 | OZU ~小津安二郎が描いた物語~ |
| 2023 | インターホンが鳴るとき |
| 2022 | 5つの歌詩 |
| 2022 | 劇場版 おいしい給食 卒業 |
| 2022 | 正直不動産 |
| 2022 | 新聞記者 |
| 2021 | 僕たちは変わらない朝を迎える |
| 2021 | ライオンのおやつ |
| 2021 | スパゲティコード・ラブ |
| 2021 | あなたのそばで明日が笑う |
| 2020 | 本気のしるし |
| 2020 | アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 |
| 2020 | MOTHER マザー |
| 2020 | 呪怨:呪いの家 |
| 2020 | レンタルなんもしない人 |
| 2020 | 病室で念仏を唱えないでください |
| 2020 | ゆるキャン△ |
| 2020 | ゆるキャン△ |
| 2019 | 本気のしるし |
| 2019 | おいしい給食 |
| 2018 | この世界の片隅に |
| 2018 | はんなりギロリの頼子さん |
| 2018 | 女子的生活 |
| 2017 | 恋がヘタでも生きてます |
| 2016 | 何者 |
| 2016 | べっぴんさん |
人物エピソード・逸話
新体操のインターハイ出場経験を持つ女優がいる。土村芳だ。
楚々とした「昭和顔」で知られる彼女のルーツは、驚くほどアクティブなスポーツ少女時代にあった。小学2年で始めた新体操に没頭し、スポーツ推薦で名門・盛岡白百合学園高校へ進学。インターハイ出場を果たすほどの実力者だった。体育教師か、それとも――。進路に迷った彼女の胸に忽然とよみがえったのは、幼少期に地元の子ども劇団で味わった、舞台の上のあの高揚感だった。
「女優になりたい」。その決意で飛び込んだ京都造形芸術大学で、彼女は運命的な出会いを果たす。教授であり映画監督の林海象に見いだされ、在学中に映画『彌勒 MIROKU』で永瀬正敏とともに主演を務めるという快挙を成し遂げたのだ。卒業後はヒラタオフィスに所属し、本格的なキャリアをスタートさせる。
転機は2016年後期の連続テレビ小説『べっぴんさん』だった。何度も書類落ちしていた朝ドラオーディションでついに最終選考まで残り、ヒロインの親友・村田君枝役を獲得。生来の病弱さを内に秘めたその慎ましい演技が高い評価を集め、「昭和顔」の新星として一躍注目を浴びることになる。その活躍が認められ、2017年には母校から社会で活躍する卒業生を表彰する「瓜生山学園賞」の第1回受賞者に選ばれた。
意外なのは、その内面だ。役者として舞台に立つ時は別人のように輝くが、本人として人前に出ることは苦手という。『べっぴんさん』の出演会見では緊張のあまり言葉が詰まり、プロデューサーが「芝居をするとガラッと変わる」とフォローしたエピソードは有名だ。新体操で培った身体能力と、繊細な内面のコントラスト。そこにこそ、彼女の役者としての可能性が潜んでいるに違いない。