
4月22日、都内でBeiGene Japan合同会社(東京都港区)によるメディアセミナー「慢性リンパ性白血病・原発性マクログロブリン血症に対する新たな治療の選択肢」が開催された。
「慢性リンパ性白血病(CLL)」「原発性マクログロブリン血症(WM)」とは
ともに血液がんの一種である「慢性リンパ性白血病(CLL)」と「原発性マクログロブリン血症(WM)」。CLLは血液中のリンパ球ががん化して増殖する病気で、白血病の中でも進行が比較的ゆっくりしているのが特徴。WMは異常なB細胞がマクログロブリン(IgM)という免疫タンパク質が大量に分泌されることで、血液の粘度が上がり、視力障害や神経症状などを引き起こすこともある疾患として知られている。どちらも高齢者に多く見られ、発熱や体重減少、リンパ節の腫れといった共通の症状をともなう。
抗悪性腫瘍剤「ブルキンザ(ザヌブルチニブ)」
同セミナーでは、慢性リンパ性白血病および原発性マクログロブリン血症に関する治療の新たな選択肢として、抗悪性腫瘍剤「ブルキンザ(ザヌブルチニブ)」が発売されたことにともない、国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科科長 の伊豆津宏二先生が登壇。伊豆津先生はブルキンザについて、有効性と安全性のバランスが優れていることを指摘し、高齢患者の多いこれらの疾患について、心血管系リスクの低減がメリットになると語った。
ブルキンザは、国内で初めて未治療および再発・難治性の慢性リンパ性⽩⾎病(⼩リンパ球性リンパ腫を含む)、未治療および再発・難治性の原発性マクログロブリン⾎症およびリンパ形質細胞リンパ腫の適応症の承認を同時に取得したブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤。70の国と地域で承認されており、世界で10万人以上の患者が治療を受けている。
発症頻度の低さゆえ、日本では認知度の低い「慢性リンパ性白血病」と「原発性マクログロブリン血症」。見落とされがちな病気だからこそ、正確な診断と最適な治療方針の選択が求められている。
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