「靖国神社落書き」報道で「共同通信」が「犯行称賛の声だけ紹介」の強烈すぎる違和感
「小紅書」より

 6月1日、東京都千代田区の靖国神社で発見された境内入口付近の石柱への落書き。赤いスプレーで「toilet(トイレ)」と記されており、中国のSNS「小紅書」には、男が落書きだけでなく石柱に向かって用を足している犯行現場の動画が投稿されていた。

 高須クリニック院長の高須克弥氏が1000万円の懸賞金を申し出るなど、早急な犯人逮捕と動機の解明が求められている同事件。各メディアが一斉に「靖国落書き動画」について報じるなか、この事件を独自のスタンスで扱っているのが共同通信だ。

共同通信記事が「中国国内の好意的な反応」のみを紹介

 同2日、同社は「靖国神社に落書きする動画を投稿 中国のSNSに、称賛の声も」と題した記事を配信。「動画が中国の交流サイト(SNS)に投稿されたことが2日、分かった」とした上で、「SNS上では男の行為を『とても美しい』『よくやった』と称賛する声が相次いだ」と中国国内の好意的な反応のみを紹介したのだ。

 この記事は「SNSには、男が東京電力福島第1原発の処理水放出に関し『日本政府が核汚水の排出を許したのに対して、われわれは何もできないのか』とコメントする写真も投稿されていた」と結んでいる。

「東京新聞 TOKYO Web」や「沖縄タイムス+プラス」「河北新報オンライン」など複数媒体が提供を受けて掲載している同記事だが「どういうつもりで書いたのか。強烈な違和感を抱かざるを得ない」と指摘するのは報道関係者である。

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「事件報道で“犯行の称賛”だけを紹介するのは、不見識も甚だしい」

「犯人が自ら証拠の動画を残して、わざわざSNSで自慢気に拡散している“疑う余地のない犯罪行為”であるにもかかわらず、称賛の声だけを紹介するのは明らかにおかしい。さらにまったく無関係な処理水問題についてのコメントを紹介するのは無茶苦茶です。おそらく、この記事を書いた人は靖国神社を好ましいものと思っていないのではないのではないか。個人がどのような思想信条を持つのも自由ですが、事件報道で“犯行の称賛”だけを紹介するのは、不見識も甚だしいと言わざるを得ません。思わず『日中関係を悪化させる意図があるのでは』と邪推してしまうほど酷い内容でした」(同関係者)

 なんとも不可解な記事であった。
 
(篠田一平)
 

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