5月23日、ツイッター上で突如として注目を浴びている「キモチップ(KIMO TIP)」というワード。2015年3月に株式会社ハイモジモジから「感謝の気持ちを示すチップ」として発売されているメモ用紙だが、ここにきてネガティブな“キモいチップ”の意味合いで半ば炎上気味に議論が沸騰しているのである。
元々、ユニークな文具メーカーとして人気のハイモジモジ。今回、議論沸騰のきっかけとなったのは同社の代表を務める松岡厚志氏による「キモチップ」の使い方を巡るツイート。
同19日、「キモチップ」の使用例として「小切手を切るみたいに、とんでもない金額を書きこんで、Keep the change(お釣りは要らねえぜ)と添えるのも粋な感じ。『ありがとう』とか『ご飯が美味しかった』ですとか、気持ちは出し惜しみせず、どんどんはずめばいいよね。はずみすぎても失うものはないからさ。」とツイートした松岡氏だが、このツイートに対しツイッターユーザーの賛否が真っ二つ。「素敵な使い方ですね」といった称賛の一方、「単なる自己満足」などとして批判的な感想のリプライが相次ぐ事態となった。
さらに「キモチップ」の“炎上”に火を注いだのが同社公式サイト上に掲載された「KIMO TIP Short Story」と題された松岡氏執筆の短編小説だ。都会的な生活を送る登場人物が「キモチップ」を活用する様を描いたストーリーの同作だが、この作品にもツイッター上では「自意識過剰なおじさんの話」などと批判的なコメントが続出しているのだ。
こうした事態を受け、松岡氏は「キモチップ」と「KIMO TIP Short Story」を公式サイトから削除したものの、ツイッターではいまだ「キモチップ」の話題が終わりそうにない。
今回の「キモチップ騒動」について「ものすごく“引き”が強い商品名なだけに炎上が長引いている感がありますね」と指摘するのはネットニュース編集者である。
「ネタが投入され続ける“負の連鎖”」
「私自身は率直に素敵なアイデアだと感じましたが、たしかに『利用者の自意識』について突き詰めて考えると『気持ち悪い』と感じてしまうのも理解できる。“キモいチップ”としてネタが投入され続ける“負の連鎖”が続いている状態だといえます」
さらに同編集者は「キモチップ」について「芸人のキングコング・西野亮廣が考案した『レターポット』と非常に似ていると感じましたね」と指摘する。
「『レターポット』は、1文字5円で購入したポイントを利用して、気持ちを伝えたい相手にネット上で手紙を贈ることができる仕組み。見ず知らずの相手に感謝の言葉を伝えられる『言葉のコミュニケーションを促すサービス』という点で『キモチップ』と同じです。どちらも非常にユニークな発想に違いないのですが……」
果たして「キモチップ騒動」の行方は。
(中村シュン)