ドリフターズはビートルズの前座を務めていた コントの人気者たちが立った武道館
1966年のビートルズ来日公演で、日本武道館の前座を務めたザ・ドリフターズ。仲本工事さんが歌った曲や慌ただしい舞台裏について、高木ブーが当時を振り返っている。2024年の展示会には、前座で使ったギターも並んだ。

ザ・ドリフターズが、ビートルズの来日公演で前座を務めたことがある。舞台は1966年の日本武道館。『8時だョ!全員集合』の放送開始は1969年なので、テレビでおなじみの番組が始まる3年前の出来事だ。そのステージでは、仲本工事さんが英語で歌声を響かせていた。
仲本工事さんが歌った『のっぽのサリー』
高木ブーは2022年のインタビューで、前座で披露したのは『Long Tall Sally(のっぽのサリー)』だったと話している。歌を担当した仲本さんについて、難しい状況でも最後まで歌い切ったことを評価していた。
二人はドリフターズに入る前から、音楽の現場で一緒だった。高木によると、ジェリー藤尾さんのバンドに、大学生だった仲本さんが歌い手として加わったのが出会い。仲本さんはセカンドシンガーのオーディションを通過しており、藤尾さんが出演できない時には代わりに歌ったという。
高木はとりわけ仲本さんのロックンロールの歌唱力を認めていた。高木自身も、ドリフターズ加入前はジャズ喫茶で演奏して生計を立てていたと別の取材で語っている。コントで親しまれた二人には、歌や楽器で客を楽しませてきた経験があった。
舞台裏で会えず、ステージ下から演奏を見た
ただ、ビートルズの前座だからといって、本人たちとゆっくり交流できたわけではない。高木が2023年に語ったところでは、短時間で終えるよう求められ、慌ただしく演奏して引き揚げたという。退場する際には、いかりや長介さんから逃げるように促されたことも覚えていた。
舞台裏でもビートルズとは別々にされ、顔を見たり話したりできる状況ではなかった。それでも高木は、ステージの下からこっそり演奏を見ていたと明かしている。同じ公演に出演しながら直接会えなかったことは、加藤茶も後年の取材で語っていた。
当時の楽器が再び話題になったのは2024年7月。東京の松坂屋上野店で開かれた結成60周年の展示会に、武道館の前座で高木が弾いたギターが出品された。会場を訪れた高木は、売ろうと考えたものの止められた、という経緯も明かした。
一緒に出席した加藤は、あの時に使った自分のドラムはどこへ行ったのか、と首をかしげた。自分では売っていないと話し、ギターが残っていた高木とは対照的な反応を見せていた。



