北中米W杯でグループリーグ敗退に終わった韓国サッカー界が、今度は前代未聞の疑惑に揺れている。
大会後に洪明甫監督が辞任し、7月30日には代表監督選任問題を巡る国会聴聞会を開催。8月6日には、警察が業務妨害容疑の捜査で韓国サッカー協会の事務所を家宅捜索した。
この捜査とは別に同日、韓国JTBCが報じたのが「外国人審判への性接待」である。
2016年に実施された文化体育観光部の監査資料によれば、協会は2011年3月から翌年3月にかけ、韓国国内で行われた国際試合の外国人審判やマッチコミッショナーら約10人を、マッサージ店や成人向け施設で接待。その費用を法人カードで支払っていたとされる。
疑惑の7試合は5勝2分け、勝敗を左右した証拠は確認されず
対象となったのは、ブラジルW杯とロンドン五輪の予選3試合、親善試合4試合の計7試合。審判団には日本、UAE、イラン、バーレーン、ウズベキスタン出身者が含まれていた。
さらに疑念を深めたのが試合結果だ。韓国は7試合で5勝2分け。勝率71.4%、無敗率は100%だった。もっとも、決定的な誤審や接待が勝敗を左右した証拠は確認されていない。
協会は8月8日に謝罪し、現在は同様の不適切な行為やカード使用はないと説明。警察も10日、時効の問題を確認したうえで、捜査対象に加えられるか検討するとした。
2002年日韓W杯をめぐるイタリア・スペインの記憶
この騒動に沸いているのが、2002年日韓W杯で韓国に敗れたイタリアとスペインだ。イタリア紙は「審判、エスコート、クレジットカード」と刺激的に報道。スペインの「ムンド・デポルティボ」も疑惑を大きく伝えた。
サッカージャーナリストが語る。
「両国では24年前の恨みが消えていません。イタリア戦ではフランチェスコ・トッティの退場やダミアーノ・トンマージのゴール取り消し、スペイン戦では2度の得点取り消しが大問題になった。今回の件で『やはり2002年も』と盛り上がるのは当然でしょう」
ただし、今回の監査対象と日韓W杯を結びつける証拠はない。
「それでも、2011~12年に接待が行われ、元協会関係者から“当時は珍しくなかった”との証言まで出た以上、いつから続いていた慣行なのかという疑問は残ります。過去の法人カード明細や審判団の行程記録が残っていれば、2002年当時まで調べ直せという声は強まるでしょう。証拠が見つからなくても、韓国の4強という歴史的快挙には、消えない疑念がまとわりつくことになります」(同ジャーナリスト)
性接待疑惑が掘り起こしたのは、24年前の古傷だったのである。