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ニューオールドメディア

アンパンマンの原型は人間のおじさんだった やなせたかしさんが考えたパンの顔

アンパンマンの原型は、1969年の短編童話に登場した人間のおじさんだった。あんパンを配って空腹の人を助ける主人公が、やがてパンの顔を持つヒーローへ。やなせたかしさんは、その発想と自身の戦争体験のつながりを語っていた。

香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアムの外観。2011年8月撮影の参考写真。
やなせたかしさんの作品を紹介する香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム(2011年8月撮影の参考写真)。1969年の原型を描いた図版ではありません。写真:京浜にけ(写真の自由利用許諾)/出典:Wikimedia Commons。縮小・余白追加。
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 アンパンマンといえば、あんパンでできた顔を空腹の人に分けてあげるヒーローだ。しかし、やなせたかしさんが描いた原型は、人間のおじさんだった。パンを配る人物から、パンの顔を持つ主人公へ。そこには、やなせさん自身が語った発想の変化がある。

あんパンを配るおじさんから、パンの顔へ

 原型となる『アンパンマン』は、1969年に発表された短編童話だ。やなせさんが50歳の時だった。この主人公は、貧しさから十分に食べられない子どもたちに、あんパンを届ける人間として描かれていた。

 生前の本人インタビューで、やなせさんは、幼い頃に好きだった食べ物があんパンだったと説明している。初めはそれを配るおじさんを主人公にしたが、パンそのものが空を飛ぶ方が面白いと考え、あんパンの顔をした人物へと姿を変えたという。

 食べ物を届けるという行為には、戦争の経験が重なっていた。記念館の財団関係者が語ったところでは、やなせさんは出征先の中国で飢えを経験し、敗戦によって、それまで教えられてきた正義の意味が反転することにも直面した。そこから、時代や立場が変わっても揺らがない正義を考え、空腹の人へパンを差し出す行為に答えを見いだしたという。

 顔を分ける設定にも、やなせさんの正義への考えが反映されている。自分も傷つく覚悟が正義には伴うとの思いを、主人公が顔を食べさせて人を救う設定に込めたと、生前の取材で説明していた。

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1973年、ひらがなの『あんぱんまん』が絵本に

 子ども向けの絵本として登場したのは1973年。54歳になったやなせさんの『あんぱんまん』が、月刊絵本の10月号に掲載された。タイトルがひらがななのは、幼い子ども向けの本だったためだ。1969年の短編童話から、4年を経てのことだった。

 この絵本は幼稚園や保育所で子どもたちに届けられた。発行元の説明では、繰り返し読まれて傷んだ本が、多くの園にあったという。やなせさんも、当初は編集者や評論家に評価されなかった作品を、子どもたちが支持してくれたと振り返っている。

 1973年の『あんぱんまん』は、1976年に市販の絵本としても刊行された。さらに、やなせさんが69歳になった1988年には、『それいけ!アンパンマン』がテレビアニメとして放送を開始した。

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