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ニューオールドメディア

『スーパーマリオ』の地上BGMは一度作り直された 青空の印象から動きのリズムへ

近藤浩治が最初に作った地上の曲は、青空の下を散歩するような穏やかな音楽だった。『スーパーマリオブラザーズ』の動きに合わせた作り直しと、初案から残った音。

2006年のE3でカメラに向かう近藤浩治。顔と上半身を写した写真
出典:Wikimedia Commons/CIMG0001(2006年E3の近藤浩治、切り抜き版) 撮影:Vincent Diamante 切り抜き:Wabbuh CC BY-SA 2.0(既存の切り抜き版を縮小表示・左右に余白)
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 『スーパーマリオブラザーズ』の地上ステージで流れる、軽快なBGM。作曲した近藤浩治が最初に用意した曲は、完成版とは違うものだった。目に映る青空や緑に合う音楽を考えたものの、マリオを動かす感覚には合わず、作り直すことになったという。

 任天堂の開発者対談によると、近藤は試作の段階から実際にゲームを遊んでいた。音づくりも早くから進められており、完成間際に音楽だけを付け足した作品ではない。宮本茂は、音を鳴らすためにも本体の処理能力を使うため、後になって問題が起きないよう試作時点で音を入れていたと説明している。

背景には合っても、走るマリオには合わない

 近藤にとって、新鮮だったのは画面に広がる青空だった。そこから思い浮かべたのは、外をのんびり歩いているような曲。風景を眺めた印象が、そのまま音楽の出発点になった。ところが、マリオが走る速さやジャンプの動きと重ねると、曲とのずれが生じた。

 そこで近藤は試作品を操作し、その動きのテンポを捉え直した。画面の雰囲気だけでなく、プレイヤーがマリオを走らせ、跳ばせるときの感覚に曲を合わせたのだ。この過程から、採用された地上のBGMが生まれた。

 宮本は、初案には違うという感覚があったが、次にできた曲はすぐに決まったと振り返っている。近藤も、その後に大きな作り替えはしていないと話している。ちなみに、作品で最初に完成した曲は地上のものではなく、イメージをつかみやすかった水中のBGMだった。

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初案から残ったリズムの音

 作り直しは、初案のすべてを捨てることではなかった。完成版で刻まれる三連符のノイズは、最初の曲から引き継いだものだ。近藤は当初、全面的に作り直すつもりだったが、新しい旋律に試しに重ねてみると、前へ進む勢いが生まれたため、その音を残したという。

 限られた音数で曲を作るなか、近藤は地上、水中、地下、城で、音楽の印象を変えることも意識していた。単に一つの曲調でゲーム全体を彩るのではなく、それぞれの場面に合う音を探していた。地上のBGMも、その試行錯誤の中で、景色と動きの両方を支える曲になった。

 耳に残るあのリズムは、実際にマリオを動かす手応えから生まれていた。

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