『カトちゃんケンちゃん』がPCエンジンの発売初期に登場した理由 高橋名人が明かしたテレビ番組との接点
PCエンジン用ソフト『カトちゃんケンちゃん』には、人気テレビ番組と新しいゲーム機を結ぶ狙いがあった。高橋名人は公式ブログで、国技館での公開収録や、発売順とHuCARDの番号が一致しない事情を明かしている。

加藤茶と志村けんがゲームの主役になった『カトちゃんケンちゃん』。1987年11月にPCエンジン用として発売されたこの作品には、テレビでおなじみの二人の人気を、新しいゲーム機につなげたいという狙いがあった。
当時の事情を記しているのが、高橋名人の公式ブログだ。2019年4月25日付の投稿で、前日に会社の引き出しからソフトを見つけたことをきっかけに、制作の背景や番組との接点を振り返っている。
『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』とPCエンジンを結んだ企画
TBS系の『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』が始まったのは1986年1月。『8時だョ!全員集合』の後継として、加藤と志村が中心になった番組だ。毎週土曜夜8時に放送され、1992年3月まで続いた。
番組を代表するコーナーが、二人が探偵に扮するドラマ仕立てのコント「THE DETECTIVE STORY(探偵物語)」だ。視聴者から届いた映像を紹介する「おもしろビデオコーナー」もあった。ゲストを迎える公開コントも含め、二人の掛け合いをさまざまな形で見せていた。
高橋名人によれば、子供たちに親しまれていたこの番組と、発売間もないPCエンジンを結びつけたいと考えたことが、ゲーム制作の理由だったという。テレビで二人を知る子供たちに、新しいゲーム機にも関心を持ってもらおうとしたわけだ。
接点はソフトだけではなかった。名人は、翌1988年に国技館で開いたイベントの後半で、番組の公開収録も実現したと記している。会場では加藤と話す機会があった一方、志村とは話せなかったことも、心残りとして挙げていた。
4本目のソフトなのに「Vol.6」だった事情
同じ回想には、ソフトの番号を巡る逸話もある。名人の説明では、『カトちゃんケンちゃん』はPCエンジンの4本目のソフトだった。だが、ブログに掲載されたHuCARDというカード型ソフトの写真を見ると、右上の番号は「Vol.6」になっている。
番号と発売順がずれた発端は、当初「Vol.1」の予定だった『THE 功夫』に不具合が見つかり、発売が延期されたことだったという。説明書の制作にも携わっていた名人は、本体と同時発売になった『上海』を「Vol.4」から「Vol.1」に改めるか、話し合ったと振り返っている。
しかし、予定が変わるたびに番号を付け直すと、かえって間違いが起こりかねない。そこで、最初に割り当てた番号をそのまま使うことにしたという。後には発売されなかった作品もあり、番号の抜けも生じることになった。
カードの右上にある小さな数字にも、PCエンジン立ち上げ期の事情が残っていた。



