本文へ
ニューオールドメディア

ソニックの初期案にはウサギがいた ハリネズミを選んだ理由は転がる攻撃

ソニック誕生前には、耳で物を持って投げるウサギの案があった。速さと攻撃を両立する試行錯誤が、丸まって転がるハリネズミにつながった。

2018年GDCの壇上でノートパソコンの前に座る大島直人(中央)と安原広和(右)
出典:Wikimedia Commons/D5X_7439 2018年GDC。中央:大島直人、右:安原広和 提供:Official GDC 撮影:Trish Tunney CC BY 2.0(縮小表示・左右に余白)
広告

 青いハリネズミとして知られるソニック。その姿に決まる前には、ウサギを主人公にした案があった。長い耳で物をつかみ、投げて攻撃するキャラクターだ。ただ、完成したソニックの形へと近づけたのは、絵の印象だけではない。速く動きながら敵を倒すにはどうすればいいか、という遊びの問題だった。

 初代の開発に関わった中裕司と大島直人は、2016年のインタビューで、キャラクターが決まるまでの経緯を語っている。大島がウサギをデザインしていた時点では、ゲーム全体がどのような形になるかは、まだ定まっていなかったという。

物を投げるたびに止まってしまう

 ウサギは、紙の上だけの候補ではなかった。大島は2023年のインタビューで、開発初期にはソニックの代わりに、そのウサギのキャラクターを動かしていたと話している。耳を使う特徴とアクションを組み合わせ、主人公の動きを考えていた段階だった。

 一方、中が目指したのはスピード感のあるゲームだった。ウサギが物を投げる仕組みでは、そのたびに動きが止まってしまう。そこで中が出したのが、丸まって転がり、敵を倒すアイデア。物を拾って投げる動作を挟まずに、移動と攻撃をつなげる方向へ企画が進んだ。

 すると、次はキャラクターの姿が問題になる。転がって敵を倒す動きに納得できる形を求め、大島と中が挙げた候補がハリネズミとアルマジロだった。2016年の対談では、最終的にトゲのある見た目の格好よさも、ハリネズミを選ぶ理由になったと振り返っている。

広告

トゲが動きと攻撃を伝える

 大島は2023年の取材で、トゲのある体がボール状になれば強い攻撃に見え、背中のトゲは速く走る印象にも合うと説明している。かわいらしい動物を先に選び、その後で技を足したというだけの話ではない。ゲーム内の動きに合う特徴を探す過程で、姿も変わっていったのだ。

 後に『ソニックアドベンチャー』でデザインの刷新を担当した上川祐司も、公式インタビューで、初めて見たときはハリネズミとわからなかったと語っている。それでも実際に走り、転がり、攻撃する姿を見て、遊びに合うキャラクターの形なのだと理解したという。

 ソニックのトゲは、速さと攻撃を目で伝えるデザインでもあった。

広告
広告