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目玉おやじは鬼太郎の取れた目ではない 小さな姿になる前にあった父の物語

目玉の姿で鬼太郎を助ける目玉おやじ。その正体は鬼太郎自身の目ではなく、実の父親だ。東映のキャラクター紹介が伝える誕生の経緯と、映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』に登場する父親との関係を確かめた。

1940年頃、建物の前で眼鏡をかけ、腕を組んで立つ若い水木しげる
出典:Wikimedia Commons/原作者・水木しげる(1940年頃) パブリックドメイン(縮小表示・左右に余白)
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 水木しげる原作の『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する目玉おやじは、鬼太郎から外れた目が動きだした存在ではない。名前にある「おやじ」は単なる愛称ではなく、鬼太郎の実の父親であることを表している。小さな目玉の姿になる前には、父自身の体があった。

 東映アニメーションのキャラクター紹介では、父は重い病気で一度命を落としたと説明されている。それでも、幼い鬼太郎を思う気持ちから目玉の妖怪となって戻ってきた。鬼太郎の体の一部が独立したのではなく、父が姿を変えて息子を見守り続けているのだ。

目玉おやじを動かした息子への思い

 この親子関係は、近年の映画で初めて加わった設定ではない。1980年代のテレビアニメを収録したDVDの公式サイトにも、病に侵された体を離れ、息子のために魂を目玉へ移した父親として紹介されている。体は失っても、息子への思いは残ったという筋立てだ。

 1990年代のシリーズのDVD紹介でも、もともとあった父の肉体から目玉が分かれたとされる。説明の細部や言葉は同じではないが、目玉の出どころを鬼太郎本人とするものではない。いずれも、父と息子は別々の存在として描かれている。

 小さくなってからも、父の役割は変わらない。妖怪についての知識を使い、鬼太郎が困った時には助言を与える。茶碗風呂を楽しむ姿も公式紹介でおなじみだ。息子のそばにいる可愛らしい姿と、頼りになる年長者としての役割が重なっている。

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映画『鬼太郎誕生』に登場するかつての父

 2023年の映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』では、その父の過去が物語の中心に置かれた。舞台は昭和31年。鬼太郎の父は、行方の分からなくなった妻を捜して哭倉村へ向かい、そこで血液銀行に勤める男・水木と出会う。父にも、息子を見守る日々へ至る前の人生がある。

 映画の公式キャスト表では、関俊彦が演じる鬼太郎の父に、かつての目玉おやじという説明が添えられている。一方、目玉おやじの声は野沢雅子が担当する。姿と声優は違っても、作品の中では同じ父親だ。普段の小さな姿だけでは見えなかった家族との関係が、映画では物語として描かれている。

 姿を変えても、鬼太郎にとって父であることに変わりはない。

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